年金は、働かなくなっても、日々の生活に困らないようにというのが本来の目的です。その意味で、衣食住や病気になっても困らない制度設計が理想です。
そこで、年金上限15万円の案を提案(年金上限月15万円制度が日本を救う~もしフリを読んで)しましたが、これは、最低どれくらいの年金が必要かをイメージするためというのが本来の目的でした。
また、日本の財政が破綻して、ハイパーインフレやデフォルトの危機に陥ったとき、自分の財産の価値がほとんどなくなるか、年金がなくなるかの二択を迫られた場合、選ばれる選択肢としてありとは思いますが、制度を変えるのに選挙を経る必要があり、時間的に無理です。ここでは、もう少し現実味のある案を提案しておきます。
将来的に年金が破綻したり、減額されたりすることを心配している人もいるかと思いますが、この方法だと今の老人たちが貰っているのと同じ額を貰える確率は大幅に上がります。
概要はこうです。
・年金の管理は全て一元化し、年金は月々のクレジットカードの支払いとして給付する。
・本来その人が貰えたはずの年金をクレジットカードの月々の上限に設定して貰う。
・そのため、使わなかった年金は年末に国庫もしくは年金機構に返還される。
・クレジットカードの現金化は禁止する(要議論)>原案では現金化をしたら年金停止。
メリットは
・将来も今と同じだけ年金が貰えます。40万円の年金を貰っている人や同じ職業の人でもやはり40万円貰えます。
・消費が圧倒的に増えます。しかも、個々の人が欲しいと思える商品やサービスにお金が回ります。公共事業として、無駄なモノや利権にお金が回ることなく、景気を刺激し続けます。つまり、破綻しない究極のバブルともいえます。
・普通の生活では40万円を毎月使うのは無理なので、子供や孫のものを買うことで若い世代への所得移転になります。実質的に相続税100%、贈与税0%と同じことを簡単にできるわけです。
・使い切れないお金がそのうち、ボランティアの寄付として使われるようになり、寄付の文化が根付き始めるかも。
・使ってくれれば、景気対策+内需拡大、使ってくれなくても、年金財政負担の軽減とどっちに転んで日本経済のためになります。
医療費に関しては、それこそ保険屋がクレジット決済の保険を作れば良いだけです。
クレジットに対応していない小売業者がいるという人もいるでしょうが、1年前くらいから周知していれば、本当に老人を顧客としている店は自ずとクレジット決済を取り入れるだろうし、できないところのためにクレジット決済導入サービスも生まれるでしょう。
将来的には、使われない年金や、景気の上昇を利用して最低保障年金額を上げるところまで持っていきたいところです。
問題はキャッシングの扱いです。貯金されては元も子もないので、キャッシングは不可にするしかないでしょう。問題はその罰則規定です。この点は次回考察します。
廣戸 典影
大学教員、医師