消費税減税をめぐって、また益税が議論されている。今度は免税事業者なのに消費税8%を上乗せしている農家の益税が1%に減ってしまうという話だ。それを擁護しているのは、なんと国民民主党の玉木代表である。
【農家の「益税」は存在しない】
「農家には益税が存在する」という話をよく聞きますが、免税農家の「益税」は存在しません。
まず、消費税は法律上「預かり金」ではありません。
多くの人が、この点を誤解しています。…— 玉木雄一郎(国民民主党) (@tamakiyuichiro) August 7, 2026
消費税は「第2法人税」
消費税が「預かり金」ではないことは事実である。ChatGPTによると
消費税は、厳密には消費者からの預かり金ではありません。消費税は、商品やサービスの購入時に課される税金であり、政府が公共サービスやインフラ整備などの財源として使用します。企業や個人事業主は、消費税を消費者から徴収し、税務当局(国税庁など)に納付する義務があります。
消費税法は、次のように定めている。
第5条(納税義務者) 事業者は、国内において行つた課税資産の譲渡等及び特定課税仕入れにつき、この法律により、消費税を納める義務がある。
ここに書かれているように、納税義務を負うのは事業者であって消費者ではない。したがって消費税という名前が正しくない。これは流通の各段階の付加価値に課税する付加価値税なのだ。
中曽根内閣が1987年に5%の売上税という名前で閣議決定して国会に提出したが、小売業界の反対で廃案に追い込まれた。このため竹下内閣は「小売店は消費者の負担する税金を預かるだけだ」という建て前で「消費税」という名前に変えて税率を3%に下げ、その表記も本体価格と税額を別々に表示する「外税」にした。
これが失敗だった。今度は「消費者が税を負担するので家計が苦しくなる」という反対運動が起こって国会は大荒れとなり、1989年の参議院選挙では社会党が第一党になった。
「益税」は税金をポケットに入れる合法的な詐欺
しかし事業者が消費税を価格に転嫁する義務はない。値上げするのは業者の自由で、内税表示が義務化されたので、10%の代わりに5%転嫁してもいいし、転嫁しなくてもいい。ただし利益(付加価値)には10%(食料品は8%)課税されるので、転嫁できなかった差額は業者の負担になる。
売り上げ1000万円以下の免税事業者が消費税を納税しないのは合法だが、こういう免税業者が負担していない消費税を価格に転嫁する「益税」は合法的な詐欺である。農家の場合はほとんどが免税業者だから、8%の消費税がまるまる益税になる。

この益税が今度1%に減るので困るというのだが、それを救済しろというのが自民党だけでなく、国民民主党というのが救いがたい。
益税を避けて相互監視するために、インボイスは必要だ。玉木氏は「免税農家が困る」というが、この解決法は簡単である。農家も1%納税し、その税額をインボイスで小売業者などに請求すればいいのだ。免税は権利であって義務ではない。
消費税は多段階の付加価値税なので、すべての段階で納税額を確認する必要があるが、今はインボイスが義務づけられていないため、粗利に1割課税する丼勘定になっている。売り上げを納入先の帳簿と照合して不正を防ぐために、インボイスは必要だ。それに反対するのは、払うべき税金をポケットに入れている業者である。






