絶対に行動しない人の3つの特徴

黒坂岳央です。

これまで仕事を通じて、老若男女問わず色んな人を見てきた。最近は少しやり取りをしただけで「この人はバンバン行動して、間違いなく成功しそうだ」とか「一緒に仕事をしてもうまくいかないだろう」ということが大体分かるようになった。

成功しそうな人には自信を持ってもらうためにも、しっかりとその旨伝えているし、逆にうまくいかなそうな場合は、遠回しに一緒に仕事をすることをお断りする方向へと持っていくこともある。

あくまで筆者の個人的な視点から「絶対に行動しない人の特徴」を3つ取り上げたい。

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1. 口数が多く調子がいい

なんといっても筆頭が「口数がとにかく多く、口先では調子のいいことばかり言う人」である。ビジネスの駆け出しの頃はこの手の人に何度も夢を見させられ、そして失望させられてきた。

行動しない人はとにかく多弁で、饒舌に口がよく動く。今すぐ行動しない理由も、彼らに言わせると説得力を持ち、聞いている側は「それは仕方がない事情だ」と錯覚させられることも多い。

また、彼らの特徴はとにかく口先だけはとても調子がいい。実例でいうと、「自分はあなたに会いたい。絶対に会いにいこうと思います!リアルイベントなどがあったら必ずすぐ知らせてください。一番に申し込みしますから」という具合だが、いざイベントを企画して告知してもこういう人からはたいてい何の音沙汰もなければ、実際に姿を現すこともない。

これは勝手な想像だが、口先だけで相手を喜ばせることを望んでいる一方で、交通費や参加費など身銭を切るつもりはないのだろう。イベントが終わった後になって「今回は事情があって参加できませんでしたが、次回は必ず!」みたいに連絡が来るが、その次、その次の次も同じセリフを送りつつ、しかし一度も来ることはないのである。

こういう人は文脈を変え、かなり見てきた。だから自分は人の本音は「言葉」ではなく「行動」にしか現れないと考えている。この他にも口だけ饒舌の人たちは「いつかこれをやりたい」「将来はここにいく」という願望を熱く語るが、いつまでも行動しない。

本当に行動力がある人は、誰かを捕まえてペラペラ願望を語る時間を、行動することにあてる。行動力MAXのタイプが口を開く時は、「これをやってきた、見てきた」と基本的に事後報告であり、将来の願望を語ることはしない。

2. リスクを取れない

2つ目の特徴は「リスクを取れない」である。それにより、熱心に情報収集ばかりしてしまい、肝心の行動は永遠に始まらないということが起きてしまうのだ。

情報収集すること自体は否定しない。筆者も旅行やビジネスのプランニング段階ではよく調べる。リサーチの目的は情報収集をする過程で、必要な情報を蓄積して未来の行動につなげることにある。だが、いつまでも情報収集をしてしまう人は、一切のリスクを許容することもできず、やってみないと分からないものまで、熱心に答えを探し続けて永遠に調べ物が終わらないという状態になってしまう。

どれだけ調べてもやってみないと分からないことは多い。たとえば筆者は先日、沖縄へ子供を連れて行ったが、イルカにつまって一緒に海を泳ぐというアクティビティを申し込んだ。結論的に大人は楽しめたが、子供はそうでもなかった。むしろ、ホテルに併設されていた屋内、屋外のプールで適当にプカプカ浮かんでいる方が楽しかったというフィードバックを子どもたちから得た。

この場合、楽しめるかどうかは最後はやってみないと絶対に分からない。だから面白そうな確率が高いことがわかれば、リスクを恐れずまず試してみる。そうすることで、新しい世界の扉が開かれるだろう。

3. 大きく考えすぎる

最後は物事を大きく考えすぎる、である。

筆者は「人生は成功を求めるのではなく、経験そのものを追求する長い旅」という考え方を取っているので、いきなり成功を考えない。未経験の分野に挑戦する際は専門家に丸投げせず、まずは自分で小さくやってみるという価値観を持っている。

たとえば自分でExcelのマクロを組んだり、ウェブサイト制作を一通りできるようになってから、フリーランサーへ業務を外注するということをしている。これなら価格の妥当性や腕前を正確に評価することができ、「この人ではなく、あの人のお願いしよう」と判断することができるのだ。逆に自分がまったくできない、わからないことを丸投げしても外注先の力量や値付けの妥当性を評価することができず、結果的にビジネス力の低下につながると思うのだ。

だが、何か行動を起こす時にイチイチ針小棒大に大きく捉えすぎ、「小さく始める」ということができない。こうなると自分で決断をすることができず、ものやサービスを買う上でも誰かに背中を教えてもらわないと、何も買えないという状態になる。こうした人は「最初の一歩」があまりに大きく見えている。思考を変えて「結果がどうあれ、たくさんの決断をすることで眼力レベルが上がればOK」と、長期的に自分の力を高められればいいと考えればどうだろうか。

子供の頃にしょうもないものをたくさん買ってしまい、銭失いの経験をした人ほど大人になったら賢いお金の使い方もできるようになる。たくさんの失敗をすることで、お金の使い方も洗練されていくのだ。

しかし、ムダな散財を一切しなかった人は「お金を使うことは大事だ。万が一、失敗したらどうするのか?」と恐れて何も買えないし、新しい経験やスキルにも自己投資できない。結果、「現状維持」が最善手となってしまい、時間の経過とともにジリ貧になってしまう。つまり、失敗経験が少ないがゆえに失敗ベタになり、過剰に失敗することを恐れすぎるのだ。

行動しない人の特徴を3つ考えてみたが、すべてに共通するのが「無知」ということである。これから挑戦しようとする対象がわからないから怖くなるし、思い切って行動する気概を削がれてしまう。アメリカの哲学者・エマーソンは「恐怖は無知から生まれる」といっており、無知は学習することで誰でも追い払うことができるのだ。

結局、行動力を高めるためには「知識をつける」という小さな行動力がファーストステップに必要という結論を導き出すことができるだろう。

 

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ビジネスジャーナリスト
シカゴの大学へ留学し会計学を学ぶ。大学卒業後、ブルームバーグLP、セブン&アイ、コカ・コーラボトラーズジャパン勤務を経て独立。フルーツギフトのビジネスに乗り出し、「高級フルーツギフト水菓子 肥後庵」を運営。経営者や医師などエグゼクティブの顧客にも利用されている。本業の傍ら、ビジネスジャーナリストとしても情報発信中。