ロバート・ケネディ・ジュニア氏が無所属で大統領選出馬: バイデンを利する?

ケネディ元大統領の甥で、反ワクチン活動家として名高いロバート・ケネディ・ジュニア氏が民主党予備選からの撤退し、独立候補として大統領選へ出馬することを表明しました。

ロバート・F・ケネディ・ジュニア氏とバイデン氏 両氏HPより

出馬会見では米国の既得権益からの「独立」を訴え、ポピュリズム色全開でした。

2024年大統領選は2020年と同様にバイデン対トランプの再戦となる公算が高く、多く米国民は不満を覚えています。そのこともあり、共和、民主以外の大統領候補を求める声が強まっています。

新しい世論調査:第3党への支持が63%に上昇

民主党の一部からケネディ氏の転向はトランプ前大統領の再選を後押しするとの見方もあります。

しかし、民主党の大多数はケネディ氏が懐疑的なワクチンに全幅の信頼を寄せており、同氏が反対しているバイデン政権のウクライナ支援も党内で絶大な支持を集めています。

“民主党の自称回答者の大多数(87%)が援助の継続を支持すると明言したのに対し、共和党の回答者は48%であった。”
この世論調査は9月のものである:

また、ケネディ氏の支持率は民主党よりも共和党支持者の間で高い傾向があります。そのことから、ケネディ氏がバイデン票よりもトランプ票を削るのではないかと指摘する識者もいます。

ロイター/イプソスの世論調査では、共和党員の59%がケネディに好感を持っていると答えたのに対し、民主党員は40%だった。(ポリティコ誌より抜粋)

過去2回の大統領選が実質約8万票以内で決まっていることを鑑みると、独立系候補の役割は無視できません。

しかし、ケネディ氏以外にも、民主党左派と親和性が高い緑の党から有力候補が出馬表明しています。そのため、そちらの方に民主党内の反バイデン票が流れてしまう可能性もあります。

彼はバイデンから有権者を奪う意図は否定しているが、海外戦争の終結、国民皆保険制度の導入、警察改革の実現など、より進歩的な政策を望む人々を惹きつけている。

1992年の大統領選では独立系候補であるロス・ペロー氏が全体得票数の約2割を獲得しました。2024年度に出馬を予定している独立系候補者たちがどこまで伸びるかは要注目です。

RFKジュニアのような強力な独立系は、たとえ総選挙で勝てないとしても重要である。

1992年には、ロス・ペローがジョージ・HW・ブッシュを大きく犠牲にして18.9%の得票を集め、ビル・クリントンの勝利につながった。

1992年にそれが起こったとしたら、2024年には何が起こるだろうか?