資格試験は山登りと同じ?ゴールまでのマイルストーンを作ろう

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「人生100年時代」と言われながら、長引く不況と物価高など先行きが不安な時代。キャリアアップのために資格取得を目指す人は増えることが予想されます。

本書は、著者自らのしくじり経験を具体的にわかりやすく伝えます。ムダな勉強をせず適正なメソッドに従えば、難関資格試験でも短期合格を目指すことができる?

資格合格 逆算メソッド」(桐ケ谷淳一著)みらいパブリッシング

ゴールまでのマイルストーンが大切

桐ケ谷さんが推奨しているステップアップ勉強法は、まったく資格試験の勉強をしたことがなく、これから勉強をスタートする人向けの方法です。具体的な勉強方法というよりは、ゴールをどこに設定していくかという、計画立案で大事な考え方となるでしょう。

また、自分が最終的に合格を目指す資格試験よりも前に、試験科目が共通するより簡単な試験を受けて合格し、自信をつけて本命への勉強に臨んでいくことも大切です。

「逆算メソッド勉強法の基本的な考え方は、合格というゴールから逆算して、今なにを勉強すべきかを決めていく勉強法です。それに対してステップアップ勉強法は、まずは簡単な試験から挑戦して土台作りからしっかり進めていくという方法ですから、一見、アプローチが逆に思えるかもしれません」(桐ケ谷さん)

「しかし、山登りの経験もない初心者が、いきなり富士山やエベレストなどに挑戦するのが無謀であるのと同様に、それまで勉強習慣がない人がいきなり難関資格を目指しても、多くの場合は途中で挫折してしまうのです。資格試験という『山』に登るのも同じです」(同)

難関資格であれば、1年から2年、そして数年単位の受験期間になることも珍しくありません。

その間、一直線に合格へ向けての最短ルートを走り切れる人はごくわずかといえます。多くの受験生は不安に駆られる時期を経験するものです。そんなときに、ゴールまでのマイルストーン(標石)があれば迷わず進むことができます。

桐ケ谷さんが、本書で解説しているのは、国家資格取得のための方法論です。また、効率性が重要であることを終始うたっています。来るべき日に備えておきましょう。

無意味な民間資格に気をつけよう

最近よく耳にするのが民間資格の問題点です。アクチャリー、英検(実用英語技能検定) 1級、国連英検 特A級など、評価が高いものもありますが、なかにはトンデモ資格が存在します。

資格の文字が躍るたびに、「簡単に取得できて、重宝されて、稼げる資格はないか?」と考えてしまうのでしょう。そこに隙ができるわけです。

冷静になれば簡単に判断できます。資格は、ある一定以上の知識や技術、能力があることの証明です。それが「簡単に取得できるもの」であるのなら、誰もが持つ「標準」となり、価値を見いだすことができないものになってしまいます。

「稼げる」には、相手にとって必要なもの、貴重なものでなければなりません。それが簡単であるわけがないのです。このような甘い考えを持っていると、「資格団体や資格スクールにとって都合のいい資格」を取得することになってしまいます。“カモ”になってしまうわけです。

すべての団体を否定するものではありませんが、資格取得をしても生かすことができていない人が大勢います。渦中にいる人はまったく気づきません。どの分野であっても、資格さえ取得すれば簡単に稼げる仕事などないと心得ておく必要があるでしょう。

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