前近代的な行政でボロボロにされた京急車両

山田 肇

電車読売新聞に「京急の貴重な車両、管理されずボロボロ…譲渡へ」という記事が出ていた。川口市内の公園に40年間展示されてきた京浜急行客車の老朽化が激しく、管理できないので、川口市は無償譲渡するという。

気になったので、川口市の電子公告を調べ、その出来の悪さに驚いた。

譲渡希望者は、8月2日から5日までの4日間に、川口市立科学館まで書類を持参しなければならない。窓口時間外は受け付けない。郵送・FAX・メール等もダメだという。電子公告の上のほうに、なぜか「辞退届」の書式が載っている。一方で、応募の際に提出する「引取り希望申出書」などは公告の一番下だ。

「申出書」は「辞退届」よりも先に来るべきだし、募集を電子公告するのであれば、申請も電子的に受け付けるべきだ。百歩譲って電子申請はあきらめても、郵送すら認めないとはどのくらい前近代的なのだろう。川口市立科学館は、世界中の人達と会話できる共通の言語である「科学」の入口だそうだ。しかし、そこでの事務は科学には程遠い。

全国の鉄道ファンにクラウドファンディングを募れば、補修も出来るし展示も続けられるだろうに。そもそも沿線でもない川口市の前近代的な行政のせいで放置され、ボロボロになってしまった京急車両が気の毒である。

山田肇

山田 肇   東洋大学経済学部教授

※車輌の写真は川口市の資料より(アゴラ編集部)