ドジャースの大谷翔平選手の元通訳・水原一平氏をアメリカ連邦検察は4月11日に、詐欺容疑で訴追した。これを受けて、大谷選手は被害者だったと安堵する声が広がっているが、日本のマスコミはなぜそのように楽観的か理解しがたい。
被害金額は、これまでいわれていた数億円でなく少なくとも24億円。さらにその倍以上に膨れ上がりそうで、そのなかには、現在言われている方法での送金だけでなく、ほかの横領や不正な大谷選手の名前利用が含まれている恐れがある。
野球賭博には賭けていないといわれるが、試合についての情報提供などの可能性は別問題だ。
しかも、水原氏はかなり値段の高い弁護士を雇ったようで、その費用は何らかの方法で水原氏が訴訟を通じて示談も含めて利益を得る可能性が高いことを意味している。
米「フロント・オフィス・スポーツ社」によると、水原氏の賭博は、21年12月から24年1月までの約2年間で、賭博で負けた総額は1億8,290万ドル（約280億円）、勝った額を差し引いた純損失は4,070万ドル（約62億円）。
大谷の銀行口座から違法賭博の胴元に送金した額が最低でも1,600万ドル（約24億5,000万円）以上とのこと。
大谷選手以外に水原氏が金づるがあるとは考えられず大谷選手の被害額は、当初言われていた数億円でなく、その10倍の数十億円になるのではないか。たとえば、預金からの流用以外の方法で何十億円かを横領や窃盗、債務負担などした被害を受けていることも考えられる。
また、水原氏はロサンゼルスの元連邦検事で、横領、収賄や詐欺などの知能犯罪や、暴行罪などの刑事弁護を専門とし、フォーブス誌が展開するプラットフォームの一つ「フォーブスアドバイザー」が選ぶ、2024年ロサンゼルスでの刑事弁護ベスト弁護士10人の一人に選出されているマイケル・フリードマン氏を弁護人として雇ったらしい。
このことは、水原氏が資産をそれほどもっていないとみられることからすれば、この事件を通じて、かなりの金銭を大きな確率で獲得できる見通しがあることを意味している。それが胴元からならいいが、ドジャースないしエンゼルス球団、大谷選手からも得ようとしていることもあり得ないわけではない。
これは、大谷選手にとっても不気味なことだ。まさか、水谷氏のために募金に応じる人もいるまいし。
