ショーンKから考える英語の上達法

谷本 真由美

かつで日本でテレビに出まくっていた自称コンサルタントのショーンK氏は、実は経歴が偽装で整形もしていたことがバレてメディアからすっかり姿を消してしまいました。

テレビ局だけではなく国民もすっかり騙されてしまったわけですが、ショーンK氏からは実に多くの学びがあります。

詐欺や犯罪をやる人間は実に綿密に準備をやるので、そこには凄まじいノウハウと努力があります。

ショーンK氏 所属事務所HPより

私の近著『世界のニュースを日本人は何も知らない5』でも英語習得のノウハウを紹介していますが、特にショーンK氏の英語には参考になる部分が多いのです。

彼の英語は大変明瞭です。スピードがちょうどよく聞きやすいのです。特に重要なのが抑揚やリズムで、英語は文法が正しいことや語彙も重要ですが、何より大事なのがこの抑揚と語彙なのです。彼は英語圏で公式な教育を受けた記録はなく、恐らく住んだこともないのでしょうが、これができています。

恐らく生まれつき耳が良いのでしょう。

歌が上手い人は外国語の発音の習得が早いのですがそれと良く似ています。国内で英語の音声を繰り返し繰り返し聞いて、何回も復唱して練習した努力があったものと推測します。

きちっと話していても、「英語的な抑揚」「妥当なリズム」がないと聞く方は理解ができません。つまり、聞く方は抑揚なリズムで何を行っているかを判断しているわけです。

日本語は発音や言葉の抑揚が英語とかなり異なる言葉で、島国で長年往来が困難な地域が多かったために、類似する人々で固まって生活してきた土地です。

したがって、言葉に抑揚がなく、「あー」「えー」「えっと、その」「うん」「そう」といったごく短い言葉のちょっとしたニュアンスや言い方で意思が通じます。

海外の人からすると日本人はモゴモゴいっていて、何をいっているのかまったくわからないのです。

これはガーナやコンゴの僻地の村の方言に大変よく似ています。ボツワナの地方の言語も似ていると感じました。彼らは細部を明瞭には語らず、日本語の「えー」に該当するような返しなどで意思疎通をしている。私はこれを友人を通して知りましたが、まるで日本のようだと大変な衝撃を受けました。

僻地の村は近代以前の日本のように他の村への移動が難しいのです。したがって、最小限の発言で意思の疎通をする言語体系ができあがります。

ショーンK氏は大変な努力家であると考えます。恐らくショーンK氏は周りも承知の上での「作品」だったのでしょう。芸能人や識者もだいたいそうで、そこには多少の偽装や演出も入っており、誰しもお客様や視聴者に好まれる人なりを演じています。

ところで、ショーンK氏のスーツはシワがなく恐らくオーダーであるが色選びや形がよいのです。妖怪やヒキガエルの様な政治家にはこの様なスーツの着こなしを期待したいものです。