先延ばし癖を完全にやめられた私の方法

黒坂岳央です。

「先延ばしをやめる技術」といった本はよく売れる。それだけ世の中には先延ばしをする人は多く、そしてやめられずに悩んでいるということだ。

「まあそのうち」
「時間ができたらまた後で」

そうやって数えれないほど先送りをし続けた結果、多くのタスクが進行中か未着手のまま人生を終えてしまう。自分自身、先延ばしばかりしていた時期があったが、今は完全にやめることができた。タスクが発生した時は絶対に先延ばしにはしない。どうやって卒業できたのかを取り上げたい。

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1. 選択肢から「保留」を削除する

人が先延ばしにしてしまう理由はシンプル、本音ではやりたくないと思っていて、未来の自分ならきっと処理してくれると信じているからだ。しかし、これは幻想である。今すぐやれないことは、未来の自分がやる確率はもっと低い。

だから選択肢は「期日を決めてやるorやらない」の二択にするべきだ。今すぐ期日を入れられないならそれはもう二度とやらない。「それだと困る!」ということなら、その場で予定を入れたら必ず完了させてしまうのだ。

自分の場合、タスクが発生したら必ずその場でGoogleカレンダーに予定を入れ、何が何でも予定日に終わらせる。万が一、見積もりが甘くて終わらなかった場合のみ、別日にズラすことはあるが基本的には確実に当日片付ける。もしくは「一生やらない」と決めて頭から追い出す。

このくらい徹底しないとどんどん「後でやろう」が溜まってしまう。そうなると無意識レベルでずっとそのタスクのことがマインドシェアと呼ばれる脳内メモリを食い続けて目の前の仕事のパフォーマンスも落ちるのだ。

2. 即断即決する

決断を保留すると「結論を出す」というタスクが発生する。これがたまると面倒なので、基本的にタスクは即断即決である。「今度旅行にいかない?」と誘われたら、その場で行く/行かないを回答する。行くと決めたら具体的な日にちを聞き、必ずその日中に航空券の予約を取って予定を固めるようにして「とにかく保留しない」。

このようにタスクを何が何でも保留にしないと決めれば、後回しにせずに済む。そもそもタスクが保留になる最大の原因は「損をしたくない」という心理に基づいているが、自分は「損をしても予測する力が鍛えられるから、多少の損は構わない」と思っている。お誘いに乗って参加してつまらなかった場合、次回以降は断れば良いしその経験も人生の糧になるし、むしろどんな失敗からもしっかり糧にするくらい貪欲になるべきだろう。

3. 先延ばしは損しかないと知る

最後に先延ばし癖はデメリットしかないと理解することだ。先延ばしにする人は、選択肢を熟考することで金銭的損失を回避する代わりに、時間的損失を差し出すという行動を取ることが多い。

しかし、時間があればお金を生み出すことができるが、お金があっても時間は買えないと考えると、論理的にお金より時間の方が重要度が高い。そのため、先延ばし癖はお金を失うリスクを回避する代わりに、それ以上に重要な時間という資源を捨てているのと同義だと認識することである。

たとえ誘われた飲み会が本当につまらないと感じたなら、最初の1時間くらい顔を出して途中で帰れば、移動時間を含めても2時間ほどの損失で済む。だがあれこれ考えすぎてしまえば、失う損失は2時間では済まなくなる。それなら迷わず参加してみて、失敗したと感じたら損切りすればいいだけだ。ムダに先送りにし続けて「どうしようかな」と迷っている間は脳のワーキングメモリを消費する方がトータルでは損をする。

先延ばし癖は小手先のテクニックだけでは完全に卒業することは難しい。なぜなら人は余剰の時間を得たら、非生産的な「迷う」ということにあててしまうために、いつまでも時間貧乏は消えないからだ。先延ばし癖の愚かさを本質から理解することで、完全にやめることができるだろう。そのためには、先延ばし癖がどれだけ人生の資源を捨ててているか?という恐ろしさを解像度高く理解することなのである。

 

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ビジネスジャーナリスト
シカゴの大学へ留学し会計学を学ぶ。大学卒業後、ブルームバーグLP、セブン&アイ、コカ・コーラボトラーズジャパン勤務を経て独立。フルーツギフトのビジネスに乗り出し、「高級フルーツギフト水菓子 肥後庵」を運営。経営者や医師などエグゼクティブの顧客にも利用されている。本業の傍ら、ビジネスジャーナリストとしても情報発信中。