この玉木さんの投稿が125万回も表示され、「資産課税」がXのトレンドになりました。
今、医療制度改革案をまとめていますので、しばらくお待ちください。応能負担の具体的とともに、相続税をはじめとした資産課税の強化も検討しています。
— 玉木雄一郎(国民民主党代表) (@tamakiyuichiro) May 26, 2024
Q. 応能負担って何ですか?
今の社会保障は応益負担つまりサービスによる利益に応じて負担する方式で、医療サービス(利益)が同じなら、支払い能力は問いません。これだと資産が10億円あっても年金受給者は住民税非課税世帯という無収入と同じ扱いになり、75歳をすぎたら医療費は1割負担です。
これに対して、応能負担は支払い能力に応じて負担を増やすものです。たとえば自宅のある人は支払い能力があるとみなして医療費を3割負担にするのです。今でも一部は年収に応じて2割負担になりますが、その基準に資産を入れるのです。
Q. 高額療養費も所得で差がついてますね?
70歳以上の人の高額療養費は次の図のようになっています。この年代ではほとんどの人が年金受給者(住民税非課税世帯)なので、大富豪が高度医療を受けても医療費の上限は2万4600円です。
これも資産に応じて高額療養費の上限を引き上げるか、保険料を上げればいいのです。今でも一部の自治体では、持ち家のある人の国民健康保険料を上げています。
Q. 年金も大金持ちはいらないんじゃないですか?
大邸宅に住んでいる大企業の社長が年金をもらうのはおかしいですね。自発的に返上すればいいという人もいますが、そういう個人の善意に頼るのではなく、所得や資産を基準にして支給額をカットすればいいのです。これをクローバックといいます。
Q. 資産課税って何ですか?
フローの所得だけでなく、土地や預金などの金融資産も対象にした税金です。今あるのは固定資産税と相続税だけです。
Q. 固定資産税はどれぐらい取られるんですか?
固定資産税の税率は評価額の1.4%ですが、評価額が実態より低いため、実効税率は1%もありません。このため昔から土地をもっている小売店などが残り、都市の再開発がむずかしい。
Q. 相続税はどうですか?
日本の相続税は、最高税率55%でOECDでは最高なので、これ以上あげるのはむずかしい。あまり上げると、海外逃避が増えます。やるとすれば基礎控除(課税最低限度)を下げることでしょう。むしろ贈与税をなくして、生前贈与を促進したほうがいいと思います。
Q. お金を使わないお年寄りに資産が片寄ってるんじゃないですか?
日本のお年寄りはリッチです。次の図のように60代では金融資産だけで平均1900万円、持ち家を含めると4000万円以上の資産がありますが、こういう人も年金や健康保険で貧しい現役世代から支払いを受けています。
Q. どうしたらお年寄りの資産が活用できるんでしょうか?
60歳以上のお年寄りのもつ金融資産が家計金融資産の60%以上で、そのほとんどが銀行預金なので、銀行にはお金が余っています。それで国債を買い、そのお金が老人医療の赤字の穴埋めに使われ、お年寄りに支払われる悪循環になっています。
Q. どうすればいいんでしょうか?
マイナンバーで金融資産を名寄せすれば、家計と企業で(純資産ベースで)約4000兆円あるので、それに1%の富裕税を課税すれば、所得税と法人税をなくすこともできます。でも税金をごまかしたい人が、マイナカードに反対しています。
ただ海外に銀行口座をつくると、各国が協調しないと抜け道を防ぐことはむずかしい。G20でブラジルやフランスが世界共通の富裕税を提唱しましたが、アメリカが反対したので当分は無理でしょう。