バイデン政権はウクライナ戦争が勃発してから一貫して、ウクライナ軍が米国製兵器を用いてロシア領内を攻撃することを認めないと宣言していました。しかし、ウクライナが戦場で劣勢を強いられる中、事実上のロシア領内攻撃の「奨励」することへ方針転換しようとしています。
News Analysis: President Biden is moving toward what may prove to be one of his most consequential decisions in the Ukraine war: whether to reverse his ban on shooting American weapons into Russian territory. https://t.co/nNtiVksvGN
— The New York Times (@nytimes) May 30, 2024
ニュース分析:バイデン大統領は、ウクライナ戦争における最も重要な決定の一つとなるであろう決断、すなわち、ロシア領土への米軍兵器の発射禁止を撤回するかどうかという決断に向けて動いている。
米国のブリンケン国務長官はウクライナとの「調整」次第では、ウクライナ軍によって米国製兵器がロシア領内に撃ち込まれるような事態が容認されると示唆しています。
〈ブリンケン氏は「調整」の意味について「ウクライナによるロシア領内の軍事目標への攻撃を認めるということか」と問われると、「まさにそのことを意味する」と回答した〉
ロシア領攻撃、容認を示唆 米国務長官 ウクライナ供与武器巡り:北海道新聞デジタル https://t.co/aCEXJm6w5x
— 北海道新聞「日ロ取材班」 (@hokkaido_ryodo) May 30, 2024
ブリンケン氏曰く、現状の米国政府の方針としては、ロシア領内攻撃を「奨励」または「促進」しないというスタンスだそうです。しかし、裏を返せば、ウクライナ軍がロシア領土を直接攻撃することは既に「容認」されており、それが「奨励」される可能性が出現しているのが今現在の状況です。
米国の他には、英国、フランス、ドイツ、そしてノルウェーといったNATO加盟国が続々と、ウクライナがロシア領内を攻撃することを支持する声明を出しています。
米高官、ウクライナのロシア領攻撃容認 非米製兵器なら
「英キャメロン外相…英国から供与された武器でウクライナがロシア領内に反撃することに理解…ロシアは、英国提供の兵器がロシア攻撃に使用されれば英国の軍事施設を攻撃する可能性があると警告」・・エスカレーション https://t.co/Gg9Kha723y— HIROSHIGE_COLOR (@simo_yan) May 25, 2024
➜ウクライナが支援国から供与されている兵器を用いてロシア領内の軍事目標を攻撃することを容認するべきだとの考えを示した
➜訪問先のベルリンで開いたドイツのショルツ首相との共同記者会見で述べたフランスのマクロン大統領、ウクライナ供与兵器でロシア領攻撃容認訴え https://t.co/IwjrdYLxbW
— うつねこ (@tk596350) May 29, 2024
BREAKING: Denmark says Ukraine can use its F-16s to strike Russian territory
— Samuel Ramani (@SamRamani2) May 30, 2024
速報:デンマーク、ウクライナはF-16戦闘機を使ってロシア領を攻撃できると主張
英国製兵器については、ウクライナによってロシア領内で使用されています。
ストームシャドウ・ミサイルは英国の同意を得てロシアに発射された。
ウクライナはロンドンの許可を得てロシア領内にストームシャドウ・ミサイルを発射した、とウクライナ戦略産業大臣顧問のユーリイ・サクが述べた。 https://t.co/0AC1bynWHe
— World War III History (@WW3History) May 29, 2024
バイデン政権はウクライナに攻撃兵器を供与することは第三次世界大戦につながると警告していました。しかし、核の恫喝をつづけるロシアが張子の虎だと確信したのか、ウクライナを支援する米国も含めた西側諸国は軍事支援の「強度」を高めています。
バイデン米大統領、ウクライナのために第3次大戦は戦わないhttps://t.co/vOyB6Q5jpu
— ブルームバーグニュース (@BloombergJapan) March 12, 2022
ウクライナを数日間で制服をすることに失敗したロシアですが、開戦2年を経て、戦力は日に日に充実しています。ロシアは西側から課された制裁を回避するため、中国やインドなどを抜け道として利用することに成功しています。
また、戦時経済を追い風に経済成長さえも記録しています。
インドに売って、そこからガソリンなんかで輸出してるからな。制裁なんぞ効いてない。
ロシアは戦時経済で一時的なんだーーー!って希望的観測垂れ流す人達が空理空論かましてる方が問題。 https://t.co/tcPYv9twhz
— jumpingcarp MEGA MAX (@jumpingcarp) February 26, 2024
史上最大の経済制裁を受けているロシアが、他の全先進国よりも経済成長率が高くなる見込み
Russia to grow faster than all advanced economies says IMF https://t.co/4Gl8loOXJu
— J Sato (@j_sato) April 17, 2024
一方のバイデン政権はエスカレーションを恐れ、逐次投入でウクライナに対する支援を行ってきました。初めから全面的にウクライナへの米国製攻撃兵器に供与していたら、戦況はまるで違っていたのではないでしょうか?
This incrementalism is part of why I use the Vietnam analogy:
"A “hallmark” of the Biden approach toward Ukraine…“has been to adapt as the conditions have changed, as the battlefield has changed, as what Russia does has changed." 1/https://t.co/7hqtkIcOjl
— Elbridge Colby (@ElbridgeColby) May 30, 2024
この漸進主義は、私がベトナムの例えを使う理由の一部です。 「ウクライナに対するバイデン氏のアプローチの『特徴』は…「状況の変化、戦場の変化、ロシアの行動の変化に応じて適応することだ。」
以前までタブーであると認識されていたロシア領内への攻撃が「奨励」される事態はいかにウクライナが追い込まれ、西側諸国がそれに対して危機感を抱いているかを如実に示します。
ウクライナ、アメリカ支援で劣勢挽回 ロシア進攻に防御固めるhttps://t.co/urBk4fAe3b pic.twitter.com/ZS0H8DIHN8
— 日本経済新聞 電子版(日経電子版) (@nikkei) April 24, 2024
仮にある国で製造された兵器がロシアに対して使用されたら、その国のことを交戦国だとロシアが認識しても不自然ではないのではないでしょうか?
🇷🇺💥 When asked if NATO was approaching a direct confrontation with Russia, the Kremlin Spokesman said:
"They are not getting close; they are in it." https://t.co/PBJkfxdOrD
— PiQ (@PiQSuite) May 27, 2024
NATOがロシアとの直接対決に近づいているかどうか尋ねられたクレムリン報道官は次のように答えた。 「彼らは近づいているのではなく、すでにその中にいるのです。」