日本もいよいよインフレが顕在化し、実質所得や実質資産が減少。日本人の置かれた経済環境は良好とは言えない状態です。そんな中でも、あくせく働いているようには見えないのに豊かに暮らしている人たちがいます。
大して仕事もしていないお金持ちが、さらにお金持ちになっていくのは、資本主義の基本的な構造にあります。そこには2つの法則があるのです。
まず「r>g」という法則です。
これはフランスの経済学者トマ・ピケティー氏がベストセラー「21世紀の資本」で明らかにした法則です。
ピケティー氏は、18世紀までさかのぼって各国の経済データを分析し、共通点としてr(資本収益率)がg(経済成長率)を上回っているという分析結果を導き出します。つまり、資本を使って運用することによって得られる富(r)は、労働によって得られる富(g)よりも成長速度が早いことを示しています。
これが、富める者をより豊かにし、格差を拡大する要因になっているのです。
もう1つは、希少性が高く価格の高いものほど価値が下がりにくいという法則です。
例えば、中古ブランドショップで高額買い入れするのはシャネル、ルイヴィトン、エルメスといった超一流ブランドだけです。それ以外のブランド品は買取価格が大きく下がってしまいます。
高級時計でも値落ちしにくいのはロレックス、パテックフィリップなどに限られます。
あるいはフェラーリは1億円以上するような限定車種になると、誰でも買える訳ではありませんが、購入した瞬間価格が上昇するそうです。
不動産も価格が急激に上昇しているのは東京の都心部の港・千代田・中央といった超一等地のマンションです。
共通するのは、高い価格で一流品を購入した方が価値が下がりにくく、結局資産が増えるということです。
「自分が働くのではなくお金に働いてもらう」「2流品を安く買うのではなく、高くても1流品を買う」
この2つを意識してお金と付き合っていくことが、お金から自由になる経済的に豊かな生活を実現するために必要です。
編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2024年6月15日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。