自分の年齢を自覚できない大人たち

黒坂岳央です。

油断すると人は実年齢より自分を若いと考えがちだ。しかし、周囲から見ると年相応の年齢であることを忘れてはいけない。

自分はこのことをずっと意識し続けている。なぜなら自分の年齢の自覚がない大人をたくさん見てきたからだ。「年齢の奴隷になれ。年相応に枯れよ」などと言うつもりはない。気持ちは若い方が良いに決まっているし、社会的記号である年齢で自分の行動を制限する必要なんてないのだ。

しかし、周囲から自分がどう見えているか?の自覚を忘れてはいけない。

Ranta Images/iStock

老人扱いを嫌う高齢者たち

自分の親族に老人扱いを極端に嫌う、もしくは自分が老人という自覚がない人が何人かいる。

たとえば孫から「おじいちゃん」と呼ばれるのを嫌って「◯◯さんと呼べ」と訂正させたり、敬老の日に贈り物をすると怒り出す。また、相続の話が出て家族が保険屋を家に呼んで話をした時も「自分はまだまだ若い。亡くなる時の話なんて想像したくない」と如実に不機嫌になってしまった。

たまたま自分の身近の人だけの話かと思えばそうでもない。気持ちは若くあるべきでも、肉体や社会的な扱いは年相応になることが受け入れられない人をかなり見てきた。

気持ちは若く、扱いは年相応で

自分が考える理想は「気持ちはいつまでも若く、でも周囲からの扱いを年相応に慣れてしまう」というものだ。どういうことか?

自分は子連れで公園やスーパーを歩いている時と、一人で歩いている時とでは周囲からの見え方も変わるという意識をしている。子連れの場合はお年寄りから「子供かわいいねえ」と声をかけてもらえることもあるが、一人で歩いている時には子供が集まる場を歩くと周囲からちょっとした警戒感を持たれてしまうことも仕方がないと思っている。

自分が望む、望まないに関わらず周囲から自分がどう見えているか? は忘れない方が良いだろう。誰しも好きで年を取るわけではないが、無理に若作りしたり幼い振る舞いをするより、周囲からの取り扱いはどうしても年相応になることを早めに受け入れてしまうのだ。おじさん、おばさんを呼ばれてショックを受けるのではなく、積極的に受け入れてしまうのだ。

自分の場合、学校行事で自己紹介をする時は「いつもヘンテコな服を着て、焼きそば作りが得意なオジサンだよ!」といったことで、子供たちが面白がってあれこれ自分に質問して仲良くしてくれた。

誰でも年を取る。自分がどうありたいか?よりも周囲から自分がどう見えているか?は認識しておいた方が良い。年齢が立派な中高年なのに職場で新人社員のような振る舞いをしてしまえば周囲からの信用も得られないだろう。

 

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ビジネスジャーナリスト
シカゴの大学へ留学し会計学を学ぶ。大学卒業後、ブルームバーグLP、セブン&アイ、コカ・コーラボトラーズジャパン勤務を経て独立。フルーツギフトのビジネスに乗り出し、「高級フルーツギフト水菓子 肥後庵」を運営。経営者や医師などエグゼクティブの顧客にも利用されている。本業の傍ら、ビジネスジャーナリストとしても情報発信中。