科学的にダイエットしたいなら「移動平均」を使いなさい

ウエイトコントロールを一生懸命やっている人は私の周りにもいますが、その多くは間違えた方法でやっています。

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例えば、体重測定です。現状認識するために、毎日体重を計測して体重の推移をチェックするのは大切です。

私も毎朝起きると全裸になってまず計測するのが日課になっていますが、1日で体重が1キロ以上変動することも珍しくありません。

お酒を飲んだ翌日は体重が減っていてスリムになったように見えますが、単に脱水しているだけで翌日には戻ります。

逆に、鍋料理を食べたりするとと翌日は体重が急激に増えたりしますが、水分でむくんでいるだけで、これも数日経つと元に戻ります。

つまり、日々の変動に一喜一憂してもほとんど意味がないのです。

それよりも体重の大きなトレンドをチェックすべきです。それに有効なのが「移動平均」です。

移動平均とは投資のチャート分析で使う手法の1つです。

例えば5日間移動平均であれば、5日目に1日目から5日目までの平均を、6日目には2日目から6日目までの平均を、、、というように1日ずつズラして平均値を計算していきます。

毎日の変動にはその日に特有の要素が含まれており、移動平均でその要素を排除していくのです。

そうすればサウナで汗かいたりファスティングして一時的に体重が減ったとしても、単なる気休めで実際は何も変わっていないことがわかります。

ダイエットを成功させるベストな方法は、筋肉を付けて基礎代謝を高め、食事の脂質を適度に減らして、有酸素運動でカロリー消費することです。

過度な食事制限で無理な減量をしても、筋肉も落ちてしまいエネルギーを消費しにくい太りやすい体になります。であれば食べながら健康的に痩せていく方が合理的です。

例えば、うに丼(写真)を食べても高タンパク・低カロリーですから、ダイエットには問題ありません。

ダイエットと投資はとてもよく似ています。

どちらも正しい方法で続ければ必ず効果があるのに、間違えた方法であれこれとやって効果を出せない人が溢れているのです。

投資の世界では、短期売買のデイトレや株の銘柄選択で多くの人が資産を失っています。

それと同じように極端な糖質制限やファスティングで食べたいものを我慢しているのに、ダイエットどころかリバウンドしてしまう人が多いのは勿体ないことです。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2024年8月1日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。