今年3月、大阪の北部に新線と新駅が誕生しました。開業以来大阪に行く機会がなかったのですが、昨日ようやく訪問の機会を得て新線乗車を果たしました。
その新線が走るのは大阪の北部、吹田市と箕面市。北大阪急行電鉄の終点だった千里中央駅から箕面萱野駅までの2.5キロが3月23日に新たに開業しました。北大阪急行電鉄といってもピンと来ない方も多いかもしれませんが、地下鉄御堂筋線といわれれば知っている方も多いと思います。
梅田駅や難波駅、天王寺駅といった大阪の主要駅を南北に結ぶ御堂筋線は大阪の主要大幹線ですが、北端部は江坂駅までが御堂筋線、それより北は北大阪急行電鉄と別の鉄道会社になっています。ですがほとんどの列車が千里中央駅まで直通で運転しているため、御堂筋線の一部と思っている方が大勢います。
この度その直通運転区間が箕面萱野駅まで延長された形です。これまで箕面市に鉄道で行こうと思ったら、阪急梅田駅から宝塚線、石橋阪大前で乗り換えて箕面線経由で行くしかありませんでしたが、北大阪急行電鉄の延伸でより早くダイレクトに梅田まで行くことができるようになりました。
箕面萱野駅にやってきました。真新しい駅舎で両側が抜けており明るい雰囲気です。
改札を出ると人工地盤の歩道の向こうにショッピングモール「Q’s MALL」があります。2003年に開業した非常に大きな商業施設であり、普段使いの買い物だけでなくQ’s MALLに来るためにこの駅を利用する人も多そうです。ショッピングモールの目の前に鉄道駅がやってきました。
1階に降りてきました。向こうに見えるのはバスターミナル。手前に広がる芝生広場も広々としています。
箕面萱野駅はここから箕面市内各地に向かうバスの発着点となりました。これまでは千里中央駅から出ていましたがそのハブ機能がこちらに移動してバス乗換え客の分散化が図られました。
梅田まで28分。始発駅であり座ったまま乗り換えもなく梅田、難波、天王寺まで連れて行ってくれます。この駅を中心にした箕面市のまちづくりはまだまだ緒に就いたばかり。箕面滝などの自然豊かな町でありつつ大阪のベッドタウンとして利便性が飛躍的に向上した箕面市。これからの更なる発展が期待されます。
ところかわってこちらは今までの終着駅だった千里中央駅前。終着駅ではなくなりバス乗換え客の一部は箕面萱野駅に移りましたが、空港などに向かうモノレールへの乗り換え駅でもあり交通のハブ拠点としての役割は失われていません。高層マンションも多く今も変わらず活気あふれています。
千里中央駅はほかにはない変わった構造の駅です。ホーム上の天井は吹き抜けとなっており、ホームを取り囲むように店舗が並んでいます。「エキナカ」の走りのようですね。
この通りには飲食店はもちろんですが、
クリーニング店に靴の修理屋など生活に密着した店舗も入ります。ニュータウンに住む人が駅に来るついでに立ち寄れる、駅ですべてのことが賄えるという住民目線で考えられた駅だと思います。
箕面萱野駅まで電車が延伸されてここに来れなくなった乗客もいるでしょうが、ぜひたまには途中下車してどこかこの懐かしさの漂うエキナカ商店街でいっぱいひっかけてから帰ってもらいたいものです。
編集部より:この記事はトラベルライターのミヤコカエデ氏のnote 2024年8月9日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はミヤコカエデ氏のnoteをご覧ください。