元財務官僚の高橋洋一氏が、トランプ氏と良好な関係を築いた安倍晋三元首相が石破氏を嫌っていたから、「石破さんなんか会話ができないよ」といっている。
そして唯一、トランプ氏と話ができるのは麻生太郎元首相だという。さらに、総裁選で麻生氏が後見人を務めた高市早苗氏なら、トランプ氏と関係構築できる確率はあるから石破氏を引きずり下ろして高市首相にすべきだということらしい。
しかし、安倍さんが嫌っていたとか、麻生さんが後見人だからこの人を総理にしろとかいうのは、いささか主権国家としての矜持に照らして酷い言説だ。
私も石破首相ではトランプの相手は難しいと思う。あの長くてまわりくどく、独りよがりの物言いは致命的だ。あんな物言いを電話でやったらすぐに電話を切られそうだ。かつて文在寅が嫌われたことと同じになりかねない。
自民党総裁選挙の候補の中で、英会話ができないのが石破茂氏だけだった。語学ができなくても、外国人とのお付き合いが得意だとか好きな人もいるが、石破氏はそういうわけでもない。
それなら、英語力も高く経済もわかり外相経験もある茂木敏充か林芳正が適任だろう。押しが強くてディールもできる茂木氏が最適だろう。林氏もトランプに好かれるだろうし、社交的だからそこそこ通用するだろう。
高市氏は、保守的で現実主義的な価値観は共通だし、一応在米研修経験もあるが、本格的な留学でないし、外交現場での経験は皆無でないが不足だ。
また、世界のVIPたちとの相性とか、トランプに気に入られるかは、なんとも分からない。少なくとも、安倍氏のようにゴルフを一緒に楽しむとか、上手におだてるといったことは難しい。
石破首相よりはましかもという以上のものでない。高市氏こそ唯一の安倍路線継承とかいうが、安倍元首相は支持層であった保守派的な価値観へ寄り添うこともいっていたが、現実の政策や対外的な発言ではリベラルな層にも受け入れられるものだった。公明党への配慮も非常なものだった。
極端な保守派の願望通りの安倍氏なら世界も受け入れなかったし、自公連立も維持できなかっただろう。
高市氏がトランプとうまくやっていけると国民を説得するためには、国際的な発信もして外交の場で力を発揮すべきだし、トランプ自身とは会えなくても、側近とたちと交流してうまくやれそうなことを見せてくれないと信じられない。
トランプに強いということでは、意外なことに公明党の岡本三成政調会長は、2000年頃にゴールドマンサックスでトランプ氏の不動産会社の財務アドバイスを行うチームに所属し、仕事を一緒にしたそうだ。