三菱UFJの貸金庫不正、被害総額十数億円でも金庫の中身は誰もわからない?

三菱UFJ銀行は22日、東京都内の支店で貸金庫の現金や貴金属を盗んだとして、担当行員を14日付で懲戒解雇したと発表しました。被害は約60人分、総額十数億円に上るという事件が発生し衝撃が走っています。

この行員は2020年から2024年10月にかけて貸金庫を無断で開け、繰り返し盗みを行っていました。10月末に顧客の指摘で発覚し、行員は不正を認めています。同行は警視庁に相談し全支店を点検、他の支店での被害は確認されていないと発表していますが、信頼回復には時間がかかりそうです。

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以前の株主総会で、貸金庫の中身が荒らされたと訴えた株主がいましたが、その際には「そんなことはあり得ない」と一蹴されてしまっていたそうです。

三菱UFJの貸金庫の管理が心配になってきます。

さらに衝撃的なことに、仕組み上、貸金庫には何が入っているのか把握している人がいないので、金の延べ棒をいれているのか、高級腕時計を入れているのか、暗号通過の暗証番号のメモなのかわからないという恐ろしい管理状況になっているそうです。

特に問題となるのは、10億円を超える被害を把握すること自体の困難さに加え、実際に被害を受けていない利用者から虚偽の申告があった場合、それを正確に判断する術がない点です。

貸金庫には何が保管されているかを銀行側が把握していないため、被害の発見が遅れた可能性があります。いずれにせよ何を疑われても銀行側は反論するのが難しい状況のようです。

日本の金融関係者のモラルはだいぶ前からなくなっていたのかもしれません。金融機関はこれからどのように対処するのでしょうか。