人生のどん底で必要なのは「客観・楽観・達観」

60年の人生で「これでもう終わりだ」と思った瞬間が何度もありました。そんな瞬間は今でも思い出すと何とも言えない暗い気持ちになります。ただ、そんな経験を通して「客観・楽観・達観」の3つの視点がその辛さを少しでも和らげてくれることを学びました。

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「客観」とは、ピンチに直面した時に、真正面から受け止めるのではなく、自分自身をどこか遠くから見ているもう1人の自分という視点を作って、現状を客観化することです。

試練に直面している自分を「神様に試されている」人がいると見ることで、どこか他人事のように現実を捉えることができるようになる。そうすれば気持ちが少し楽になります。

また「楽観」とは現実をマイナス面から見るのではなく、ポジティブに捉えようとする心の持ちようです。

例え、今まで様々な辛いことがあったとしても、今日もこの世にいるということは、なんだかんだ言っても結局今まで何とかなってきたことの裏返しです。

「死ぬこと以外はかすり傷」という言葉もある通り、人生の出来事のほとんどの事は大した事ではありません。渦中にいるから悲観的に考えすぎてしまうだけです。

直面しているどん底状態もまた前と同じようにいずれ解決し、後から考えれば大した事は無くなる。そんな楽観的な視点がメンタルを守るために大切です。

そして「達観」とは所詮「人生は一度きり」と悟りの境地に達することです。

何をしても、人生は一回限りでいずれ終わってしまうはかないものです。

だとすれば、もがき苦しむこともそんな短い時間の中の1つの経験。そんな風に考えられれば、充分気持ちが楽になります。

人生には上り坂、下り坂、そして「まさか」の3つの坂があると言います

今は、人生の頂点にいる人も、いつどこでどん底に転落するかは分かりません。うまくいっている人も慢心することなく、最悪の事態への心の持ちようきちんと考えておくべきだと思います。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2024年11月27日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。