黒坂岳央です。
結婚式、入籍して10年以上が経過した。結婚する前はネット上に落ちていた「結婚するとこんなデメリットがある!結婚するな!」とか「結婚するメリット10選」といった意見は自分の場合、この10年間を振り返るとほとんど当てはまらなかったと感じる。
あまり誰も言わなかった「結婚して良かったメリット」について記録しておきたい。
承認欲求を卒業できる
上手に使わなければ人生を滅ぼし、最もコスト高になり得る要素が「承認欲求」である。上手に活用する例としては仕事やスポーツといった自己表現で社会貢献をすること。
一方で、自慢や見栄を張ることで実際には疎まれて避けられるのがよくない承認欲求の消化方法だ。人によっては背伸びして高級マンション、高級車を買い続け誇張抜きで承認欲求に1億円以上消耗する人もいる。
結婚して気付いたことは「カッコつけなくなった」ということである。つまり、承認欲求を卒業できた。今思い出すと顔から火が出そうだが、筆者は人並み外れて見栄、自慢の欲求に突き動かされていた時期があった。20代までは誰でも作れるクレジットゴールドカードをお会計の時にチラ見せしたり、ブランドものをレンタルして着飾ってPRなどをしていた。本当につまらないし矮小なことをしていた。
だが、妻と会ってから気がつけばそうした自慢をしなくなっていた。仕事や人生の結果、悩み、挑戦などはすべて妻が話しを聞いてくれるし、自分も妻の相談に乗る。誰かにギラついたPRなどしなくてもしっかり聞いてくれる人がいるので、見栄なんて張る必要がないのだ。
無益な承認欲求にムダな時間やお金をかけずに済むので、それをビジネスや自己学習に再投資して前進することに集中できるのだ。
努力し続けられる
これは過去に知人の経営者から言われた話なのだが、「あくまで傾向としてだが、独身の中年以降は体力低下や意欲低下から自己保身ばかりで仕事へのエンゲージメントが下がる。一方で既婚者は守るものがあるので、自己研鑽や仕事も本気でやる人が多い」といっていた。もちろん、全員に当てはまる話ではないし、別に既婚者がえらくて独身者がダメとは全く思わない。しかし、「守るものがある人は強い」という話には一定の合理性がある。
これはあくまで一事例でしかなく、一般化できるほど豊富なデータではないのだが、サラリーマン時代に転職をしていった人たちは「これから子供の教育費にお金がかかるし、まだ若い内に転職で年収を増やしたい」という人は何人も見てきた。
自分自身、仮に独身であった場合、今ほど頑張って仕事をするか?と問われるとかなり怪しい。ある程度蓄財が出来たらもうそれほど必死に頑張る理由はなくなってしまう。
それでも現在、毎日早起きして時間目一杯仕事をしているのは家族に仕事をする父親としての姿を見せたい、という理由もかなり大きい。また、ビジネスマンとして現役を退いてしまえば明確にビジネス戦闘力が衰えてしまう。そうなれば将来、子供が大きくなった時に彼らと仕事の話が出来なくなる不安はとても強い。
仕事はアスリートの運動神経みたいな部分があり、完全に止めてしまうとあっという間にビジネス感覚は衰え、もはやマーケットに戻れなくなることもあり得る。実際、FIREをしたビジネスマンが明確に頭が動かなくなる体験をして怖くなり、慌ててビジネスを再開した例はいくつもある。
自分の場合、仕事が楽しいというのもあるが、「仕事を完全に止めたら終わり」というのも強力な動機になっていて、「現役で戦い続けること」をお金以上に大事にしている。そしてそれには家族の存在が大きい。自分一人ではそこまで頑張れない。もう自己満足できる程度に満たされているからだ。
死後の世界を良くしたい
自分は独身だった20代、「自分が死んだ後の世界はどうなってもいい」と思っていた。その頃には両親も兄弟も他界しているだろうし、その後の世界は自分には関係ないと思っていた。
しかし、結婚して子供を持つと考えは一変した。子供、もしかしたら孫がいる世界が壊滅してしまうのは大変困る。誇張でもなんでもなく、子供は自分の命より遥かに大事な存在なので、彼らが困らないよう死後の世界を少しでも良くしたいと考えてしまうのだ。
そのためには子供の充実した教育や経験に果敢に投資することは言うまでもないし、日本という国家自体も強国であり続けてほしいと願うようになる。子供には語学力を授けるので、いざとなれば海外でもサバイバルできる力を与えるつもりではあるが、自分が海外に住み、外国人と仕事をしてやっぱり日本人には日本が一番住み心地がいいものなので「日本という国がよくあってほしい」と考えるのだ。
個人でできることなどささやかなものだが、できるだけ日本企業の商品サービスにお金を使って日本経済をまわしたいし、節税のために海外移住をせずにできれば日本に納税をしたいと思っている。また、普通に税金を支払うだけでなく、来年から子供たちに支援する団体への寄付も始めたいと考え、興味を持って調べている。
これらは別に誰からか頼まれたことではなく、死後の世界を良くしたという意欲から来ている。これは結婚をして、さらに子供を持ってから初めて芽生えた感覚だ。
◇
結婚をすると全員が幸福になるわけではない。逆に不幸になる人もいる事例も知っている。だが、世間で言われているほど悪いことはなく、そしてメリットも自分は違う感じ方をしている。一つの事例として参考になれば幸いだ。
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