誰もが一度は見たことがあると思われるこのマーク。東京にお住いの方はわかりますね。東京都のシンボルマークとして平成元年に制定されました。
東京は関東大震災の後、火に強いということでイチョウが多く植えられ、東京都の木にもなっています。ですのでこのシンボルマークも「ああ、イチョウの葉を図案化したんだな」と思っていました。
ちがうんですね。
東京都によれば「あくまでこれは東京都の『T』ー!」(チョコプラかよ)なんだそうで。「イチョウっぽいけどそうじゃない曖昧なところもポイント」なんだそうです。
都内の自治体でさえこのマークはイチョウを図案化したものと勘違いしているところもあるそうで、もう、イチョウだって認めればいいじゃんかって思います。
そんなわけで今回は東京のイチョウの木をいくつか訪ね歩きました。
① 東京大学
こちらは2024年から使われている東京大学の新しいロゴマーク。こちらは「イチョウじゃありません」なんていいません。イチョウです。
東京大学はイチョウ並木が有名でこの時期多くの観光客がここを訪れ写真を撮っていきます。こちらは弥生キャンパスの農学部前のイチョウです。
ひと際目立つのは農学部3号館前に一本だけ立つイチョウの木。大きくて形も立派で思わずカメラを向けてしまいます。
本郷キャンパスに場所を移すと工学部前広場は児童公園になっていました。大学の中に公園があるんだ。すごいな東大。さすが東大。その向こうにひときわ背の高いイチョウが黄色に染まっているのが目をひきます。
多くの人がここに集って写真を撮っていますが、大勢が気の下に入っても十分にスペースが取れるくらい嵩のある大きなイチョウの木です。
さて、大学のエンブレムになるほど学内のいたるところにイチョウが植えられている東京大学ですが、中でも有名なのは安田講堂前のイチョウ並木です。
その様子がコチラ。もう一大観光地の様相で、内外の観光客があちらこちらで記念撮影をしています。それだけ人を惹きつける真っ黄色に染まったイチョウ並木。一年で今だけしか見ることのできない絶景スポットです。
人がいない写真が撮れるのは空を見上げた時だけ。黄金に染まるイチョウが空の青に映えて美しい。黄色と青は補色の関係にあるのでコントラストが際立ちます。
② 王子神社のイチョウ
続いてやってきたのは北区の王子駅。ここから徒歩5分ほどの場所にある王子神社に来ました。王子神社は樹齢600年にもなる大イチョウがご神木として参拝客を出迎えてくれます。
石神井川沿いの親水公園側から登るとご神木が上からじっと私を見下ろしてきます。大震災も空襲も乗り越えた貴重なイチョウの木。周囲に植えられていたとされる椎の木などはなくなってしまったのに対し、このイチョウだけが生き残ったそうで、いかにイチョウが災害に強いかを物語っています。
今後も末永く王子の地から変わりゆく東京の姿を見守り続けていってもらいたいと思います。
③ 明治神宮外苑
東京でイチョウ並木といえば、真っ先に思い浮かべるのが神宮外苑。実はまだ黄葉の時期に行ったことはありませんでした。ここにいかない手はないだろう、ということで青山一丁目駅から神宮外苑のイチョウ並木を目指しました。
いやぁすごい人です、すごい人!初詣ですか?っていうくらい大勢の人出溢れかえっています。
イチョウを見に来たのか人を見に来たのかわかりませんね。いったいみんなどこから来たんでしょう(お前もな)。
向かい側の歩道にはカフェがあるらしいんですがその周りを埋め尽くすように人が歩いています。イチョウはきれいなのかもしれませんが、なんか大勢の人に見られているようでゆっくりお茶も飲めなさそうな気がします。
折角来たんですが人酔いしそうだったので、短時間で退散することにしました。もう少しいればライトアップもされてまた違ったイチョウ並木の姿も見ることができたようです。人の少ない早朝に来てゆっくり歩いて見たいですね。
そういえば昨年は、立川の昭和記念公園で黄葉を楽しみました。もちろんここも人は多いですが、ゆっくり歩いて写真を撮ることができ、黄金色の世界を楽しむことができました。ここもまた訪ねてみたい東京屈指の黄葉スポットです。
東京に来た目的はほかにあったのですが、図らずも黄葉見物もすることができました。今年のシーズンはもう終わってしまったと思いますがまた来年。青空に映えるイチョウ並木を見られることを楽しみにしたいと思います。
編集部より:この記事はトラベルライターのミヤコカエデ氏のnote 2024年12月17日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はミヤコカエデ氏のnoteをご覧ください。