JR東日本「高卒・専門卒も総合職化」採用戦略に大学はどう向き合うべきか?

JR東日本は28日、2026年度の採用計画を発表しました。これにより、高校・専門学校・短期大学の卒業者も、大卒や大学院卒と同じ総合職の対象とし、給与水準も総合職と同等に引き上げる方針です。学歴を問わず、優秀で多様な人材の確保を目指しているとのことです。

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大学に進学すれば必ずしもよいというわけではないという考え方が広がるかもしれません。

学歴のインフレは解決が難しい複雑な課題ですが、今回の取り組みにより過度な教育への負担を軽減することにも大いに寄与するかもしれません。

これからは大学側も危機感を持たなければならない状況になるかもしれません。将来的には、「就職後の給与や待遇が変わらないのであれば、なぜ大学に進学するのか」という問いが生じる可能性も考えられます。

ただしこの施策は言うは易く行うは難しかもしれません。

JR東日本の全体の採用人数は約950人で、25年度より100人増員されるそうです。総合職や海外戦略職、地域採用に加え、「ジョブ型」採用も実施されます。また、「ジョブ型」を導入するのであれば、昇給に差があるコースを設ける意義は薄れるとも考えられます。

さらに、この方針は「費用や時間をかけて偏差値の低い大学に進学するより、高卒で入社する方が良い」という企業のメッセージとも受け取れるかもしれません。