モアイと野生の馬に出会う日南ドライブ

サンメッセ日南

会社のメンバーと日南ドライブをしています。

青島を観光したのち車を南に走らせて日南海岸へ。向かった先は「サンメッセ日南」というレジャー施設です。世界でイースター島とここにしかない「モアイ像」を観に行くためです。

サンメッセ日南から眺める日南海岸。
しばらくの間仕事から離脱。海の青さに見惚れます。

1000円の入場料を支払ってサンメッセ日南の中に入ればすぐに現れるのがモアイ像。

ご承知の通りチリ共和国沖に浮かぶイースター島に本家のモアイ像はあり、このうちアフ・アキビとよばれる7体は天文学的に聖地に計算されて建てられた神聖なものでした。そのため地元の長老会はその模造は容易にに承諾をしなかったのですが、サンメッセ日南では日本企業がチリでの倒れたモアイ像の修復事業に協力することを引き換えに世界で初めてその復刻を許可されました。

単に客寄せのために復刻したものではなく、部族間抗争などの争いで倒されたモアイ像を修復することで世界の平和につながるようにという思いを込めてこの地に立てられたのです。

イースター島のモアイは海に向かって立ちますが、サンメッセ日南のそれは海に背を向けて立ち、園内の高台に登ればその様子がよくわかります。これを目当てにサンメッセ日南に来る方は非常に多く、みなさん次々記念写真を撮っていきます。

モアイ像は7体のほかにも園内に点在しています。

ゴレンジャーにしか見えん。

さて、サンメッセ日南にある芸術作品はモアイばかりではありません。少し高台に登るとこんな7色の像が。

アカレンジャーーー!

こちらはVoyantsという作品。フランス語で「見る人」という意味です。普段は見られる側の芸術作品ですが、こちらは「見る」側に立って海岸に立つモアイ像や日南海岸、さらにその向こうに見える地平線を眺めています。

頂上の展望台からは目の前に広がる日南の海。そして石で作られた蝶が舞っているのが見えます。

「天地望蝶」。蝶はすべて小石を並べて作られていました。

青い日南の海を見ながらモアイ像を始めとする芸術作品を見ることができるサンメッセ日南。日南ドライブの際には是非立ち寄ってみたいスポットです。

サンメッセ日南

都井岬

サンメッセ日南からさらに1時間ほど南に車を走らせました。やってきたのは都井(とい)岬。

宮崎空港からは車で2時間弱。夕方の飛行機に間に合うかどうか気になりましたが、会社のメンバーから「何とかなる!」と言われてここまでやってきました。宮崎県の最南端。岬好きな私が以前からずっと来てみたかった最果ての地です。

都井岬灯台はやや背の低い灯台ですが、標高240メートルの高台に位置しています。九州では唯一の登ることができる灯台なんですが、今回は時間の都合で登らず遠くから拝むだけにします。

いつものひとり旅なら最果ての地に来たということだけで満足なんですが、今回は同行者がいます。岬はいいけどほかに何かがないとつまらないと言われてしまいます。この都井岬にはほかの岬にはない魅力があるのです。

それは馬がいること!馬が放牧されていますよ、というだけではなく、ここでは100頭あまりの半野生の馬が生活しているのです。

御崎馬と呼ばれるこの馬はもともとは江戸時代に高鍋藩の秋月家が軍用馬を放牧したのが始まりです。もともとあまり人為的に管理しない状態で飼われていたため半野生化して現在に至っています。

日本の馬の中で牧場や動物園で飼われていない馬は御崎馬だけであり、国の天然記念物に指定されています。

もとは乗用馬であり脚が細いのが特徴。
斜面の多い場所でも器用に立つことができます。

こんな斜面の上にも登ることができる健脚の持ち主です。

都井岬に入る際には道路は馬が逃げていかないようにゲートあって、400円の入園料を払って岬に入っていくのですが、管理人から「道路に馬が出ることがあるから気をつけてくださいね~」と言われました。いやぁでも馬は野生だし警戒心強いだろうからそんな車になんて近づかないだろう、と思ってたんですが

いた。

なかよしこよしで道路を歩いています。車が来てもよけずに立ち止まっているので渋滞ができます。人間の方が馬の間をうまくよけて通って行きます。野生の馬による渋滞なんて日本で起こるのはここだけでしょう。貴重な経験でした。

おわりに

帰りは「道の駅なんごう」に立ち寄り食事。同行者はビールでいっぱいやっていましたが、我慢です。黒瀬ぶりと呼ばれるこの地方で養殖されているぶりを頂きました。

道の駅なんごうはオープンテラスで食事ができて快適。向こうは人口2人の有人島、大島も見ることができました。好天に恵まれた日南ドライブ。美しい海あり、モアイあり、馬ありといろいろ盛りだくさんに楽しめる旅となりました。

みなさんもぜひ晴れの日に、太陽の国・日南のドライブを楽しんでみてもらいたいと思います。


編集部より:この記事はトラベルライターのミヤコカエデ氏のnote 2025年5月18日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はミヤコカエデ氏のnoteをご覧ください。