国民民主・玉木代表の「エサ米」発言が波紋：問題の本質はそこじゃないのに

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アゴラ編集部

国民民主党の玉木雄一郎代表氏は、2021年産の古い備蓄米が随意契約で小売業者に渡され、消費者向けに「5キロ1800円程度」で販売される方針に対して、「あと1年たったら動物のエサになるようなものを『安く売ります』と言っても、そりゃ安く出ますよ」と発言しました。さらに、「（そうした備蓄米は）本当のニーズではない」「消費者はササニシキやコシヒカリのような銘柄米を安く買いたいはず」とも述べました。

この「エサになるようなもの」という表現が報道やSNSで広く拡散され、波紋を呼びました。特に、備蓄米が劣悪で人間が食べるに値しないかのような印象を与えたとの批判が上がり、「発言が配慮を欠く」との指摘が相次ぎました。

玉木雄一郎・国民民主党代表 国民民主党HPより

玉木氏の発言は、5月28日の衆議院農林水産委員会において、コメ価格の高騰への対応として小泉進次郎農林水産大臣が進める「備蓄米の店頭販売政策」に対する質疑の中で出たものです。

このため、玉木氏は同日深夜、自身のX（旧Twitter）で「誤解があるようなので補足する」として、発言の趣旨を説明し、備蓄米制度の実情（5年経過後に飼料用米として売却される）を解説しつつ、本来訴えたかったのは「備蓄米を放出するだけでは銘柄米の価格は下がらず、抜本的な米政策改革が必要だ」という点だったと釈明しました。

しかし巷には「動物のエサ」に反応する人びとが多数現れました。

与党に対しては、令和3年産（古古古米）なんて食わせるなという指摘も見られます。

https://twitter.com/Noken59388847/status/1927478091141505218
twitter.com

国民民主の党員は、玉木代表の発言の一部だけを切り取らず、衆議院農林水産委員会の映像を見てほしいと呼びかけています。新米と3年間備蓄された米では価格に差があるのは当然であり、今回の問題は、与党側のあたかも全ての店頭米の価格が大幅に下がるかのような誤解を与える発信の仕方にあると弁明しています。

現代社会は切り取られる可能性を考慮して発言しなければいけないのでしょうか。

政治家もメディアも国民も冷静な議論ができなくなっています。

われわれ日本人はアメリカをはじめ海外の農家に対してこそ失礼な対応をしていることも振り返らなくてはなりません。

いずれにせよ、コメに関する本質的な議論をしてほしいものです。