総務省が発表した5月の消費者物価指数(CPI)は、生鮮食品を除く総合で3.7%の上昇となり、物価上昇が一段と加速しています。食料品やエネルギーの価格高騰が続き、コメ類は前年比で101.7%も上昇しました。チョコレートやコーヒー豆なども2〜3割の値上げとなっており、家計への圧迫感は一層強まっています。
【速報 JUST IN 】5月の消費者物価指数 前年同月比3.7%上昇 6か月連続で3%台https://t.co/EynZ2dbBxw #nhk_news
— NHKニュース (@nhk_news) June 19, 2025
仮に今後インフレ率が鈍化しても、物価が上がり続ける限り生活はどんどん苦しくなります。
政策や市場がインフレを語る際、焦点となるのは多くの場合「変化率(上昇率)」だ。しかし実際に消費者が受けている打撃は、累積的に上昇し続ける物価そのものにある。たとえインフレ率が鈍化しても物価が上がり続ける限り生活はますます厳しくなる。長期的に物価が下がる期間はほんの僅かしかない。 pic.twitter.com/K2iQp14KvC
— 朝倉智也(Tomoya Asakura) (@tomoyaasakura) June 19, 2025
こうした状況にもかかわらず、日本銀行は依然として「基調的な物価上昇は限定的」との見解を崩していません。17日の金融政策決定会合では、2026年4月以降の長期国債の買い入れを、3カ月ごとに4千億円から2千億円ずつの減額に変更すると決めました。金利の急上昇による市場の混乱を避けるためです。あわせて、景気への悪影響を避けるため、政策金利(0.5%程度)も据え置くことにしました。
日銀は利上げは見送り。保有国債を減らしていくペースを緩めることを決定。とにかく慎重だ。正常化の歩みは遅い。
いつもはこの後、私の解説記事を出していますが、今回は明朝に配信する解説記事に一本化します。 https://t.co/sZish2Zi9H— 原真人 (@makotoha) June 17, 2025
しかし、既に物価上昇率は2%の目標を大きく超え、半年以上にわたって3%台の高水準が続いているにもかかわらず、金融政策の正常化は極めて鈍いままです。
日本銀行の植田和男総裁は20日、経済・物価が日銀の見通しに沿って推移すれば、引き続き利上げで金融緩和度合いを調整していく考えを改めて示した。都内で行われた全国信用金庫大会であいさつした。 https://t.co/ruJxctBgk9
— ブルームバーグニュース (@BloombergJapan) June 20, 2025
5月全国CPI、コメ類や食料が押し上げつつコアが6カ月連続で3%乗せで利上げに急がないというのは、海外勢にとっては摩訶不思議でしょうね。 https://t.co/3C1UiyxaPt
— Sawako Yasuda/Street Insights (@Street_Insights) June 20, 2025
日銀は「2%物価安定の目標」と言っていた。日銀は基調的な物価上昇は2%に達していない、というが予想だけでなく実績も重視しないとおかしい。 https://t.co/6Ss3495zvb
— 磯野直之 (@IsonoNaoyuki) June 20, 2025
本来であれば、物価がここまで上昇し、実質賃金が3年連続でマイナスとなっている現状は、金融緩和の転換を検討すべき重大なシグナルです。ところが日銀は、長期金利を抑え込み、円安を容認するような姿勢を続けています。その結果、輸入物価が高止まりし、生活必需品の価格は今後も上がり続ける懸念があります。
5/22日経(夕)「実質賃金3年連続減」24年度の消費者物価は3.5%増で、伸び率は3年連続で3%を超えた。名目賃金は3%増で、実質賃金は前年度比0.5%のマイナス。リフレ派が目指した「安定した2%のインフレ率」を実現しましたが、日本人はどんどん貧乏になっています。
— 橘 玲 (@ak_tch) May 23, 2025
海外であれば「不快なほど高い」と表現される水準のインフレにも関わらず、日銀がほぼ静観を続けるのは、政治的な意図か、もしくは金融市場への過度な依存に陥っている証左ではないでしょうか。
5月CPIは総合指数が3.7%上昇。FRBなら「不快なほど高い」と表現するレベル。それでも日銀は基調的物価は低いと考える。
5月の消費者物価3.7%上昇 伸び拡大、コメは101.7%高:日本経済新聞https://t.co/Kk9xLVn6Vx
— ギムノカリキウム (@gymnocalycium42) June 19, 2025
何いってるの。もうコアCPIが3.7%だよ。日銀の動きが異常に鈍いのは、何か他の理由があるとしか思えない。 https://t.co/twWJB4Jwx4
— 池田信夫 (@ikedanob) June 20, 2025
物価だけが上がり、賃金が追いつかない「貧しいインフレ」が進む中で、日銀の判断は極めて重いものなっています。
日本銀行は5月28日、2024年度決算(第140回事業年度)を発表し、民間金融機関に支払った日銀当座預金の利息が前年度比1兆円超増の1兆2517億円に達したことを明らかにした。日銀当預への付利を伴う段階的利上げが利息額を押し上げた。https://t.co/ZRXAvJ12tI
— 服部孝洋(東京大学) (@hattori0819) June 8, 2025

植田和男日銀総裁 日銀HPより






