就職早々億ションを買った?:不動産を買うことは自由を奪い取る行為

三面記事的ですが、静岡県伊東市の田久保眞紀市長の動向が気になります。屁のツッパリにもならない抵抗を示し、のらりくらりと卒業証書問題を先延ばししている理由は何なのでしょうか?真実は一つしかなく、市長になる前に「自分は卒業してないし…」と述べていた(Wiki)となれば確信犯のように感じますが、察するに今更どうにもならないという開き直りでしょうか?同様の疑惑がある小池百合子氏はうまくかわしていますがエジプトの大学と東洋大学では距離感の違いなのでしょうか?「首長は一度やると辞められない」はもう一人、渦中の方がいらっしゃいますね。この話は後程。

では今週のつぶやきをお送りいたします。

冴えない4-6月四半期決算

北米は4-6月決算発表のラッシュ。日本は来週ぐらいから本格化すると思いますが、ざっくり見る限り冴えない状況です。1つには関税の影響が出始めていること、1つには企業による投資の盛り上がりが今一つで雇用もクビにしないけど積極雇用もしない状況です。もう1つは消費がそんなに伸びていないように見えるのです。物価が上がる理由は2つ原因があり、需要側が好景気で金払いが良いケースと、供給側の事情により価格が上がるケースです。後者は石油ショックなどが好例ですが、今回は関税というタガがはめられたことが理由です。

日本企業の決算は半導体関連が冴えないのが気になります。日本は半導体部品メーカーが主体なので先々の半導体メーカーからの需要が低い⇒AIなどへの過剰投資の反動の可能性はあります。AIについては驚異的な勢いで開発が進む一方、マネタイズできているのか疑問視されています。自動車はテスラが散々な決算でしたが予想通りEVの需要が他社に流れており、例えばVW社はEVの売り上げが8割増だったと報じらられています。日本は今回のアメリカとの関税交渉の一環で充電方式をチャデモからコンボに切り替えられるならEVブームがやってくるとみています。一番簡単な普及策は街中の月極駐車場にEVチャージャーを敷設するための補助金を政府が支給すればよいでしょう。

株式市場については日本は関税交渉完了祭りで日経平均42000円台を一時回復しました。軽い調整の後、もう一段の上昇で史上最高値を超えてきてもおかしくなさそうです。アメリカについては自動車関税が日本に有利すぎるとアメリカの自動車メーカーのブーイングが聞こえてきますが、カナダとメキシコとの関税も最終的にそれですり合わせれば問題ないのに、と思います。来週はEUとの交渉が最終局面で、その後にカナダ、メキシコが再度出てくるとみています。インドとの交渉は苦戦しそうで、中国とは再延長戦となりそうです。

日本は分断されつつあるのか?

今回の参議院選挙では保守系の声が強く出た半面、ここに来て石破氏を支援するグループがデモをするなど日本ではあまりなじみのない状況が起きています。思想の分断化かもしれません。自民党内だけ見ても主流派と石破氏を中心としたよりリベラルなグループが対峙する形となっており、月曜日に開催される両院議員懇談会は両院議員総会に格上げされる可能性も指摘されています。臨時国会が8月1日召集で5日間だけ開催されることで調整が進んでいます。石破氏の審判のお膳立ては出来上がっており、個人的には臨時国会を超えて石破政権が存命するのは相当難しいとみています。

では誰が自民党総裁になるのか、上がる名前は高市、小泉、林、小林各氏あたりが中心のようです。皆さん個人的な好みがあるでしょうからここではそれについてはあえて申し上げませんが、大所高所から考えた時、分断化する日本において自民党がどの位置に立つべきかという視座に立つべきだと思うのです。仮に右寄りの方が総裁になれば参政党に勢いをつけることになるし、左寄りの方が総裁になれば近年の傾向であるポピュリズムを伴う中道ど真ん中あたりでとどまり、保守と革新のバランサー的役割になるとみています。

どちらが良いかといえば理念的にはバランサーの方が良いでしょう。日本が欧米や韓国のように国内が分断化することを良しと思う人はいないはずです。国民のストレス発散を政治に求めてはいけないわけで、上手な政治運営こそが世界の中で異色の世界観と安定感を誇る日本が一目置かれているとも言えるでしょう。野党の主張するイシューは国民生活問題が主で、物価高対策のその手法に焦点が絞られているとも言えます。世界と比べると日本は喫緊の問題が少なく、幸せな国だと思います。物価高対策だけならどうにか解決できるわけで案外自民党が本気を取り戻せば構図は変わることもあり得ます。私から見れば自民党は今が最も暗い時だと思います。

就職早々億ションを買った?

「就職早々に『億ション』 20代の負債10倍、不動産相場支える新思考」(日経)とあり、金融機関に勤める20代社員が億ションを買った話から記事は展開します。うーん、申し訳ないですが、「つまらない買い物をしたね」と申し上げます。理由は簡単でこの方はこれからもらう給与や賞与をとことん返済や建物の管理費、固定資産税の支払いに突っ込まないとキャッチアップできないのです。生活費を削って億ションを買っても貧乏くさい生活をするとすれば無理をする意味がどこにあるのでしょうか?

私が時々振るたとえ話で0円から100万円貯めるのと100万円から200万を貯めるのはどちらが楽で早いかの比較を思い出してもらえればよいのです。あるいは株式投資をする方はお気づきだと思いますが、株価チャートには2種類ある点です。1つは縦軸の株価が等間隔のものでもう1つがログスケールのものです。例えば株価100円の銘柄ある日10%上がったら10円上昇です。ところがこの銘柄が1000円になったら10円株価を上げるには1%だけ上昇すればよいのです。この違いを補正表現できるのがログスケールなのです。話が飛躍しているように見えますが、要は若いうちは原資を貯めよ、なのです。億ションは2度目か3度目の買い替えで到達すればよいのです。

もう1つは若いうちはお金が無いなりに自分に投資することに意味があるのです。旅行や飲み会、習い事、推し活、こだわりグッズ…何でもよいので、とにかく自分を自由にすることが最も大事なのです。不動産を買うことで自由を奪い取る行為はほぼ理解不能です。また、私も経験しましたが不動産を買ったら転勤命令が出たりするものです。どうしても欲しいなら貸しやすい物件で不動産に働かせるつもりで購入すべきでしょう。

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後記
バンクーバー夏の風物詩の花火大会が3日間開催されているのですが、開催された水曜日にマリーナの事務所でビールを飲みながら様子を伺っているとチャーターボートには2艘に200人強の客を詰め込み、プレジャーボート側も友人を誘いこんで皆、我先にと会場の海に向かっていきました。船で行くと確かに遮るものなく素晴らしい花火を鑑賞できますが、わずか20分強なんです。日本の花火とは比べ物にならないしょぼさで私は5年に一度位しか見に行きません。日本の凄さはパブリックが誰でも楽しめるイベントがとても多いのに対して当地ではお金を掛けないとなかなか楽しめない違いを感じます。

では今日はこのぐらいで。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2025年7月26日の記事より転載させていただきました。

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会社経営者
ブルーツリーマネージメント社 社長 
カナダで不動産ビジネスをして25年、不動産や起業実務を踏まえた上で世界の中の日本を考え、書き綴っています。ブログは365日切れ目なく経済、マネー、社会、政治など様々なトピックをズバッと斬っています。分かりやすいブログを目指しています。