22日の国内債券市場で新発10年国債の利回りが一時1.615%まで上昇し、2008年10月以来およそ17年ぶりの高水準となりました。
長期金利、1.615%に上昇 CPI上振れで日銀利上げ観測強まるhttps://t.co/zRFOU3V7yP
— 日本経済新聞 電子版(日経電子版) (@nikkei) August 22, 2025
背景には、7月の消費者物価指数が前年同月比3.1%上昇と市場予想を上回り、根強いインフレが意識されたことがあります。
これにより日銀の利上げ観測が強まり、債券売りが進みました。米国でも景況感の改善を示す指標が発表され、利下げ観測が後退したことから米10年国債利回りが上昇し、その影響が日本にも波及しました。

石破首相・玉木代表・野田代表 各党HPより
日本の長期金利が1.6%を超えたことで債券市場に警戒感が広がり、株価が上昇する一方で国債価格が下落しているため、景気が順調に見える一方で市場は危機の兆候と捉えています。
日経が上がる一方で、長期金利も1.6%に到達。
殆どの日本人は金利を見ない。
国債が暴落しているのに、株価が上がってるから日本は絶好調だと思い込んでいる。 pic.twitter.com/NWD31YEzHW— 幸福賢者@2000万円溶かした投資家ブロガー (@esekenja) July 24, 2025
さらに30年国債利回りは過去最高の3.20%に達し、巨額の政府債務や高齢化による財政の持続可能性への懸念が強まっています。日銀が最後の買い手として機能しづらくなる中で、金利上昇は国債費の急増を招き、財政危機を現実化させかねない状況です。
日本の30年国債利回りが過去最高の3.20%まで急上昇している。巨額の政府債務と高齢化で財政は持続可能性を失いつつあり、もはや日銀も最後の買い手としての余力を欠く。金利上昇は国債費を急増させ、財政危機を現実のものとしかねない。市場の警鐘は「借金頼みの時代の終焉」を突きつけている。 pic.twitter.com/RcXVLHkRq0
— 朝倉智也(Tomoya Asakura) (@tomoyaasakura) August 21, 2025
日本の超長期国債金利が更に上昇。流動性は更に悪化。https://t.co/7lieCOt2RT pic.twitter.com/z67bwFQw2v
— Shen (@shenmacro) August 21, 2025
また、野党が主張する減税についても、市場では消費刺激や財政不安を通じて金利上昇とインフレを加速させ、実質賃金を押し下げると警戒されています。
野党の主張する減税は
・消費刺激→インフレ→名目金利上昇
・財政不安→長期金利上昇→インフレ
という2ルートで実質賃金を下げ、手取りを減らす。海外投資家の超長期国債買いが急減 7月、参院選前に財政悪化を警戒 – 日本経済新聞 https://t.co/YoRkZkaiO3 pic.twitter.com/rewWgwlsDe
— 池田信夫 (@ikedanob) August 20, 2025
利上げや金利上昇が進んでも円安やインフレは収まらず、賃金も追いついていないため、日本のインフレ政策は失敗しているとの批判も出ています。
金融緩和は低インフレ下では機能しましたが、いまや名目成長率とインフレの上昇で国債大量購入の仕組みが破綻したとの指摘もあります。
アベノミクスは、インフレにならない間、名目成長率が高くならない間は、長期金利も高くならないので機能した。今、インフレになり、それに伴って実質成長率を大きく超える名目成長となったので、アベノミクスの根幹である多額の国債を日銀が飲み込む仕組みは破綻した。 https://t.co/1x2CKiQ1UH
— 磯野直之 (@IsonoNaoyuki) August 18, 2025
こうした状況は「借金頼みの時代の終焉」を告げる市場からの警告であり、今後の金利の行方と日銀の対応が日本経済の命運を大きく左右する局面となっています。






