いや、もう分かるでしょ? 月曜日の朝のあの絶望感!

エレベーターのボタンを押す手が震えてるのよ。「5階、5階」って心の中で祈りながら。でも必ず3階で止まって、あの人が乗ってくる。もう運命だと思って諦めてる。「おはようございます」って言うけど、声が裏返ってるし。相手も気づいてるよね、絶対。

で、デスクに着いてもダメ。声が聞こえるだけで肩がガチガチ。仕事? できるわけない。パソコンの画面見つめながら、実は何も頭に入ってこない。まあ、こんな経験してる人、私だけじゃないでしょ。

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数字の現実がエグい

認定心理士の堀もとこさんって人が「キライな人がいなくなる方法」って本を出してる。あさ出版から。タイトルがもうストレート過ぎて好き。回りくどくない。で、この人が言ってるのが「嫌い」から逃れる呼吸法。

キライな人がいなくなる方法」(堀もとこ 著)あさ出版

はいはい、また呼吸法ね、って思った? 私も最初そうだった。

厚生労働省の調査(令和4年のやつ)見てみなさいよ。仕事のストレス要因、26.2%が「対人関係」。4人に1人よ? もっと多い気がするけど、まあ正直に答えてない人もいるんじゃない?

でもこれが衝撃的。アメリカの心理学会の研究で、現代人って1日3時間もネガティブな感情について考えてるんだって。3時間って。Netflix1本見れるじゃん。1年で45日分、人生80年だと10年間。10年間よ? 嫌いな人のことを考えて過ごすって、なんか損じゃない?

中野信子さん(脳科学者ね)が言ってるんだけど、「嫌悪感」って扁桃体の警報システムなんだって。太古の昔、これが命を救ってた。猛獣とか毒とかから。でも今は違う。

SNSで他人のキラキラ投稿見て落ち込んだり(これ、ほんとキツい)、過去の嫌な出来事をリピート再生したり、苦手な人のことで眠れなくなったり。警報システムが暴走してるのよ。

そういえば昨日、コンビニで見かけたんだけど、レジの前で店員さんに怒鳴ってるサラリーマンがいて。多分ストレス溜まってるんだろうなって。ああはなりたくない。

でもね、「嫌い」をなくそうとするのは無理。感情は消せない。向き合い方を変えるしかないの。

4・4・8、これだけ覚えて

堀もとこさんが推してるのが「4・4・8呼吸法」。手軽で科学的根拠もあるって。

やり方は馬鹿みたいに簡単。4秒で鼻から息を吸って、4秒止めて、8秒で口から吐く。それだけ。

ポイントは息を吐くとき。一気に「ふーっ」じゃダメ。お腹をへこませながら、8秒間均等に。細いストローのイメージで、最後まで丁寧に。これで副交感神経が刺激されて、リラックス効果が出るらしい。

スタンフォード大学の研究でも実証済み。心拍数低下、コルチゾール(ストレスホルモン)減少。データは嘘をつかない。

私もコンサル時代、プレゼン前にやってた。似たような呼吸法だけど。効果があったかは分からないけど、とりあえず堂々とできるようになった。プラシーボ効果でもいいじゃん、効けば。

結局、人なんてそんなもの

「嫌い」を完全になくすなんて無理。でも支配される時間は減らせる。
あなたを傷つけるのも人、癒すのも人。でも一番の味方は自分。忘れちゃダメ。

明日また嫌な上司と会うでしょ? でも今日とは違うあなたがいるはず。「4秒吸って、4秒止めて、8秒吐く」。これだけで心に余裕ができる。

完璧? いらない。今、この瞬間に深呼吸してみて。それが人生を変える第一歩。「嫌い」に支配されてた10年を、「自分らしく生きる10年」に変える選択権は、あなたが持ってる。

一緒に深呼吸しよう。新しい一歩、踏み出そうか。
(あ、そうそう。明日の朝のエレベーター、ちょっと楽になってるといいな)

尾藤 克之(コラムニスト・著述家)

22冊目の本を出版しました。

読書を自分の武器にする技術」(WAVE出版)