ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が、自身の「後継者」について異例の発言を行いました。これまで事実上の独裁体制を築いてきたプーチン氏が、将来的な権力移譲に触れるのは極めてまれなことです。

プーチン大統領 クレムリンHPより
その中で注目されたのが、「退役兵」が後を継ぐ可能性に言及した点です。プーチン氏がこのような発言をした背景には、長期化するロシア・ウクライナ戦争の影響が色濃く反映されています。
プーチン氏「後継は退役兵」にじむ路線否定の焦り 社会不安にも備え:日本経済新聞https://t.co/2u9tPZFbUp
— 日経電子版 オピニオン (@nikkei_OPINION) September 23, 2025
実際、今年6月にはイギリス国防省が、ロシア側の戦死者・負傷者の合計が100万人を超えた可能性があると指摘しました。特に昨年以降、ロシア軍の死者数はおよそ25万人にのぼると推定されており、これは社会にとっても国家にとっても極めて大きな損失です。
こうした中で、プーチン氏が軍関係者、特に退役軍人を後継候補とする発言をしたのは、国民への“戦争の代償”に対するある種の配慮とも受け取れます。軍人出身の人物であれば、戦争を正当化しつつ国民の不満を抑える象徴的存在になり得るからです。
「ロシア軍死傷者 約100万人になったか」英国防省発表https://t.co/XesOp7rraQ #nhk_news
— NHKニュース (@nhk_news) June 12, 2025
とはいえ、プーチン氏自身がすぐに政権を退く気配は見られません。アメリカのトランプ前大統領が提唱する停戦仲介案にも耳を貸さない姿勢を続けており、戦争を継続する方針に変化はないようです。
ゼレンスキー氏、トランプ氏、欧州各国首脳が戦争終結に向けた会談を行っている最中、あるいはその直後に、ロシア軍がウクライナ中部のポルタヴァ州クレメンチュクに対し、弾道ミサイル、巡航ミサイル、自爆ドローンによる攻撃を実施した。プーチンは平和を望んでいないpic.twitter.com/XZz7GvEtRt
— ミリレポ (@sabatech_pr) August 19, 2025
また、仮に後継者を定めたとしても、プーチン氏が権力の座から完全に退くことは考えにくいでしょう。彼が強く意識しているとされるのが、かつてリビアを支配していたカダフィ大佐の悲惨な最期です。
プーチンはカダフィの最期にかなり衝撃を受けていましたね。惨殺される場面の動画を何度も見ていたという。 https://t.co/q6gIEbQXE6 pic.twitter.com/cqXO10t3JG
— JD (@JDWorldBriefing) April 10, 2022
そのため、後継者を表に立てながらも、実権は握り続け、「終身大統領」としての地位を維持しようとする動きが続くものと見られます。
プーチン、今は皇帝として君臨してるけど、自分が権力手放したら、忠犬だった子分たちに裏切られるかも、くらいは警戒してるはず。彼は抜け目ないですからね。
もし後継者に裏切られたら、汚職蓄財で自分だけでなく家族や取り巻きもアウト。
そりゃ終身大統領目指すよね※褒めてない— 黒井文太郎 (@BUNKUROI) September 3, 2020
戦争と犠牲、そして権力の行方——。プーチン政権の未来は、今まさに大きな岐路に立たされているのかもしれません。






