自民党総裁選をめぐり、党公式の討論会MCとして匿名掲示板「2ちゃんねる」開設者のひろゆき氏(西村博之氏)を起用することが明らかになった。だが過去に多額の民事訴訟賠償金を踏み倒したと指摘されてきた人物を「みなさんの声を代表」させることは適切なのか。自民党の倫理観と広報センスに対し疑問と批判が噴出している。
- マーケティング会社が制作するこの番組では、総裁候補者に国民の質問を直接ぶつける形式を採用。「#変われ自民党」を掲げ、若年層への訴求を狙う。
- ひろゆき氏は「裏金どうなってんすかー?」など歯に衣着せぬ発言を予告。政治に関心の薄い層に届く番組にしたいと語る。
- しかし、過去に数十億円規模の民事訴訟の賠償金踏み倒しが繰り返し指摘されてきた人物を党公式の配信に起用するのは、金融庁がかつて同氏を起用して世論の批判を浴び削除に追い込まれた事例を想起させる。自民党の倫理観の「現在地」とも言える選択だ。
- そもそも「変われ自民党」と掲げながら、すでにブームを過ぎたひろゆき氏とコラボする広報戦略自体が時代遅れとの声が強い。最近の自民党の人材起用の迷走を想起させる「絶望的なセンスの無さ」との批判も出ている。
- 党員向けの企画で大衆迎合を狙う矛盾、「頭おかしい」「クソだ」といった厳しい批判まで飛び交い、危機感を演出するどころか逆に失望感を増幅させている。
自民党は参院選大敗で「変われ」と叫びつつ、過去に多額の賠償金を踏み倒したとされるひろゆき氏を総裁選公式番組のMCに据えた。この起用は倫理観の欠如を露呈し、広報戦略の稚拙さも浮き彫りにしている。変革を掲げながら古びた話題性に頼る自民党の姿勢は、むしろ党の停滞と世論の不信を深める結果になりかねない。

同番組の告知






