世界的な金融不安・利下げ期待・地政学リスクを背景に、金・銀ともに上昇トレンドを強めている。日本国内では、金価格が初めて1グラムあたり 2万2000円台 を突破するという歴史的な水準に達した。
- 田中貴金属工業が公表したところによれば、国内の店頭金価格(小売・税込)が1グラムあたり22,326円に到達した。
- 日本の貴金属買取情報サイト「買取大吉」では、K24(純金)の買取相場が1グラムあたり 22,271円(前日比 +755円)と報じられている。
- 投資家の金買い・物理的保有志向の高まりが、需給をひっ迫させている。
- 世界的には、金価格が1トロイオンスあたり4,000ドルを超える水準を記録しており、銀も過去数十年ぶりの高値水準へ上昇している。
- 金の上昇要因としては、
・米国の利下げ期待・金融政策の先行き不透明感
・インフレ・通貨価値低下への懸念
・地政学リスク・世界経済の不確実性
・中央銀行の金買い・準備資産としての需要
・物理金の需給タイト化
などがあげられる。 - 銀(シルバー)については、金の上昇を背景にキャッチアップ的な買いが入っており、産業用途需要(太陽光パネル、電子部品など)との重なりで需給が引き締まっているという分析も複数見られる。
- ただし、銀は金に比べて価格変動幅が大きく、安定性・中央銀行需要などの点で評価が分かれるとの見方もある。
- 一部報道では、金・銀の急上昇により「金不足」「銀の物理的在庫の逼迫」への警戒が出ている。
- また、小型金地金(5g・10gなど)の売り止めや流通の停滞を伝える報道もあり、実需の動きが先行しているとの指摘も見られる。
金・銀相場は、世界的な金融政策の不確実性や地政学リスクを背景に、安全資産としての需要が強まり、過去の常識を塗り替える水準に到達している。今後は、利下げの実行時期、世界各国の中央銀行の動きや物理金の需給逼迫の程度などが相場動向を左右するだろう。







