映画「国宝」は読んでから観るか、観てから読むか?

遅まきながら今年の大ヒット映画「国宝」を観ました。3時間を超える長い映画ということで、途中でトイレに行きたくならないか心配でしたが、何とか持ち堪えることができました。

長時間の作品にもかかわらず、途中で飽きることなく美しい画像と迫力のある演技に圧倒され、最後まで画面に没入して鑑賞することができました。

いずれネットフリックスなどでも配信されるのかもしれませんが、やはり劇場の大画面で観ると作品の魅力が倍増すると思います。

映像のリアリティにも圧倒されますが、見終わってからも複雑な感情が自分の中にこみ上げてきました。人生とは、血筋とは、仕事とは、努力とは、そして何かを極めるためには何かを犠牲にしなければならないのかという疑問です。

涙や笑いがある訳ではありません。終わってから何だか鳥肌が立つような不思議な感動がある作品でした。話のスケールの大きさに圧倒されてしまったのかもしれません。

映画を見る前に、原作を読もうと文庫本を注文したのですが、小さな活字にあまり読む気が起こらず、結局映画を見るまでに1ページも読みませんでした。

しかし、結果的にその方が先入観なく映画を見ることができよかったと思っています。

上下2巻の大作ですから3時間の映画に凝縮するためには省略も必要になります。文庫本の内容が削ぎ落されて一本の骨格だけが残ったような映画ですから、映画を観てから本を読むと描かれている情景がリアルに浮かんできます。

恐らく本を読んだらまた映画を観たくなるのではないかと思います。

読んでから観るか?それとも観てから読むか?と問われれば、私は「映画を観て、本を読んで、もう1度映画を観る」のが良いと思います。

公開から時間が経っていることもあって休日の朝イチの上映はガラガラでした。このような名作は公開直後の混雑しているときに見るよりも、来館者が少なくなった時期の方がゆっくりと落ち着いて良い席で鑑賞できます。

しかし、いつか観ようと油断していると気が付けば上映が打ち切られてしまいます。まだ映画館で見られていない方は、早めに足を運ぶことを強くお勧めします。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2025年10月20日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。