最近の日本絡みのニュースを俯瞰していて思うことがあります。それはお金絡みの話題が目につき、その多くが今までになかったようなレベルのお金の話をしているのです。
日経平均5万円
日本によるアメリカへの投資80兆円
政府の積極財政方針
この3つは個人家計、海外政府投資、国内政府投資という分野をうまく補い合い、潤沢な資金が廻るような流れを作っています。当然ながら民間企業もこれに歩調を合わせて投資が進みます。ではこの資金源は何処から来るのかといえば多くが退蔵していたマネーが覚醒して出てきたものもあるように感じます。

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お金は「使ってなんぼ」のところがあります。まわりまわって最後にまた自分のところに戻ってくるとも言われますが、そういうせこい皮算用はせず、自分の身銭を切ると世の中にお金が流れていることが実感できる感覚はバブル時代以降忘れていたかもしれません。
誰がそれを覚醒させたのでしょうか?私は石破元首相にも感謝すべきだと思います。あの重たい感じで哲学者が人生観を語るようなしゃべり口からプレーイングマネージャー的な高市氏に代わり、いいよね、華やいだよね、夢や未来があるよね、という猛烈な対比感を感じ取っています。石破氏には申し訳ないのですが、ある意味、政権浮揚の「敷石」であったと思うのです。
最近の日本の傾向は長い首相、短い首相、長い首相、短い首相のサイクルになっています。つまり安倍、菅、岸田、石破各氏の順であり、そのジンクスからすれば高市氏は長い首相になる可能性があります。今の感じからすれば4年ぐらいやるかもしれません。
その間に日本でお金にまつわる話題がどう変化するでしょうか?個人的には世代交代が大きく進むことでお金もそれに伴い移動するとみています。この移動には相続もあるし、事業継承もあるでしょう、会社のM&Aもあるし、不動産の譲渡なども考えられます。
個人家計ベースで考えると今の70代半ばから上の方の人生は働くことが主眼で使うのは上手ではなかった世代です。昔、多少株をやったものの塩漬けの株式人生だったのに「昔取った杵柄」で投資を再開された高齢者も多いと思います。新NISAでは現役世代が中心ですが、潤っている方々は多いと思います。ひと昔前までは奥様が「あなた、株なんてやるの?損したらどうするの?」だったのに今では「あなた、我が家の財務管理は私がやりますから。株式も当然やるわよ。」と意気込んでいるのでしょう。
世界ベースでみると正直、景気が良いとは思っていません。ロシアというネックが欧州を暗くし、中国との確執が世界を分断化しています。多くのマネーはAIなど技術革新に向かうものもありますが、金など保守的で守りの資産に逃避しているマネーも多いのです。そんな中で政府レベルでは日本はアメリカに太いパイプで安定的に資金を供給できる関係を構築しています。極端な言い方をすれば我々が投資するお金はアメリカが何らかの形で関与し、そのアメリカが稼げば日本も潤う、という構図にも見て取れます。(もちろん全てがウィンウィンという前提ならば、です。)
日本がお金を使うと社会が廻り、経済が廻り、政府も潤います。これがぐるぐる何度も回るようになると好循環となり、より多くの人にその実感を感じ取ってもらうことができるでしょう。
日本は一度、ポジティブモードに入るとしばらくそれで走る素質を持っています。前向きになれば企業が新技術開発や企業ベースの投資にも目覚めてきます。今の時代、企業が稼いだお金をどこにも使わず、じっとしていると物言う株主がすぐに文句を言い、投資するか、配当するかと迫ってきます。つまり社会は可視化され、足を止めることができないのです。故に企業もずっと投資をし、リスクを取りながら事業のまい進をしていく競争社会になるのです。
この強さが80年代の日本でした。形は変われども、もしかするとあの時の高揚感が再び戻ってきているのではないか、そんな気にすらさせる昨今の日本の雰囲気であります。
では今日はこのぐらいで。
編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2025年10月28日の記事より転載させていただきました。






