銀座のかわむらというステーキ店に白トリュフを食べに行きました。紹介制のお店でワイン好きの友人に連れていってもらってから年に数回出かけるようになりました。
最上級のお肉を最高の調理法で食べさせてくれるステーキ店ですが、この季節になると白トリュフを使ったメニューを注文できます。
提供方法はスライサーで薄く切るのではなく、包丁を使ってザクザクと切っていきます。この方が香りが強く立ち、白トリュフのうま味を噛むときに感じられます。実際、添えられた白トリュフの塊をかじりながらレアに焼き上げられたステーキを食べると脳天が直撃されました。これはもう媚薬の世界です。

イタリアのアルバから空輸で取り寄せたこちらのお店の白トリュフは収穫地のアルバよりも高品質のものが揃っているとオーナーの河村さん(写真)は語っていますが、それは大げさではないと思います。
その理由はトリュフを取り扱う現地の業者との信頼関係が構築されているからです。
かわむらさんは素材の仕入れに関して値切り交渉は一切行わないそうです。
白トリュフに限らず、すべての食材を売り手の言い値で購入する。白トリュフと並ぶ高級食材のアワビも同じ方法で千葉県の房総沖の最高のものを揃えています。値切らないことによって最高レベルの商品を供給してもらえるようになります。
またコロナ禍のように食材の需要が激減して売り先がなくて困っている時も継続して購入を続けたそうです。
さらに収穫量が少ない時は、価格を上げて購入して取引先の収入が減らないようにサポートする。
このようにコストを下げるという自分の利益だけではなく、相手にとってのメリットを考え行動する。それが結局は周り回って自分に戻ってくるという考え方です。
ただ食材の仕入れコストに糸目をつけない結果、こちらのお店の飲食代は破格に高くなっています。
今回の支払いもカウンターを6人で貸し切って、ワイン代は別で60万円超え。しかもこれは6人の合計ではなく、一人当たりの金額です。
さすがにここまでの金額の支払いはしたことがありません。金額だけを聞くとべらぼうに割高なお店だと思うかもしれません。
しかし、実際に行った感想を正直に書くと、単価は確かに極めて高いもののその価格以上の価値が提供されていると感じました。
それが証拠に今回ご一緒したメンバーの全員が来年の予約を取って帰りました。これは「価値>価格」ということの何よりの証明です。
今回提供してくれた白トリュフは1㎏200万円で仕入れているそうです。来年はもしかしたらもっと値上がりしているかもしれませんが、お金に頑張って働いてもらってまた食べに行きたいと思います。
編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2025年11月10日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。






