
広島市の東隣、東広島市に来ました。わかりやすいですね。今回はその中心駅である西条(さいじょう)駅で下車。いつもはひとりが多いのですが、今回は広島に転勤した同僚とともに訪問。ふたり旅です。

旅の目的は日本酒。西条は7つの酒蔵が集まる日本を代表する酒蔵の町。駅を出て左に折れればすぐに酒蔵通りに入ります。


駅を出るとすぐに酒蔵の名前が書かれたレンガ煙突が目に入ります。西条市の南部、海に近い安芸津地区三津は良質な土があり、海が近くて搬出しやすいためレンガの工場がありました。ここでも主に安芸津レンガが使われているそうです。他の酒蔵の町でもこのようなレンガ煙突は多く見かけます。レンガ煙突を見ると酒蔵の町に来たなぁ、と改めて実感しますね。

ポストも酒蔵の待ちしよう酒蔵の町仕様。こういうのいいですね!

それでは酒蔵で試飲タイムといきましょう。まずはこちら白牡丹酒造。なまこ壁の蔵のような建物が酒蔵の伝統を感じさせます。瓦は西条特産の西条瓦。石見地方出身の職人が焼き始めたことや、ここで出る年度の質の影響もあって石州瓦と同じ赤い色をしているのが特徴です。

コイン(300円)を購入してボタンを押すとお酒が出てきます。頂いたのは芸陽男山。江戸時代の酒の製法である生酛(きもと)造りで、酒造りの原点に立ち返って造られた酒造りの伝統を感じさせるお酒。芸陽男山の名称も明治時代に使っていたものを復活させました。辛口の酒が冷えていた体を温めてくれます。

続いて立ち寄ったのは西條鶴。明治時代後期に建てられた黒格子が特徴的な渋い建物。手前にある天保井水は江戸時代に掘られたもので今も酒造りには欠かせないものです。

「白ラベル」を飲みました。

うぇーい
頂いたのは女性人気No.1という「酒蔵限定酒・無濾過純米生酒」。甘くすっきりとした味わい。これはだまされて飲んじゃいますね。公式HPによると焼鳥や、広島名物お好み焼きとも相性がいいようです。

こちらは酒蔵通りの一番奥、賀茂泉酒造の「酒泉館」という建物。かつては広島県の日本酒醸造研究試験場として使われていましたが、現在は土日祝日のみ、酒の資料館やカフェとして営業しています。あとにも出てきますが、西条の酒蔵の多くは別館として洋館を持っています。明治時代から大正時代にかけて規模が大きく拡大したため、その時代に流行していた西洋風の建物が多く建てられたものと考えられます。

こちらの井戸は意外に新しい平成生まれ。

資料館には酒にまつわる本がずらり。


最後に寄ったのは賀茂鶴酒造。第三醸造なんてある通り、7つの酒蔵の中でも大きな規模を誇ります。

こちらにも入口のところに洋館がありました。どうも本店の入り口に使われている模様。

こちらでは500円で飲み比べセットを頂きました。これはお得。右手大吟醸は金箔入りの大吟醸で賀茂鶴酒造の看板商品。金箔は桜の花びらの形になっていて、これは昭和天皇の金婚式に盃に桜の花びら型の金箔を浮かべたことがきっかけで、平成に入ってから市販品にも採用したのだそうです。さわやかな感じで飲みやすい看板商品です。
実は写真に載せていない試飲も結構していて、いい感じに酔いが回ってきました。

お好み焼きに~

隠れた広島名物、花ソーセージ!
というわけで電車に乗って広島駅に帰ってきました。ここからは広島名物で宴会。結局また酒を飲み、共通の上司の悪口とか愚痴とかを言い合って憂さを晴らしました。楽しい広島の夜でした。
酒蔵の集まる町、西条。駅前すぐの場所にあってふらっと立ち寄ることができます。日本酒好きにはたまらない飲み歩きにもってこいの場所です。広島に来た際にはぜひ寄ってみてください。
編集部より:この記事はトラベルライターのミヤコカエデ氏のnote 2025年12月27日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はミヤコカエデ氏のnoteをご覧ください。






