新卒採用の前提が大きく揺らいでいる。象徴的なのが、富士通が打ち出した新卒一括採用の廃止とジョブ型通年採用への全面移行だ。これをきっかけに、企業・学生双方の行動が変化し、日本的雇用慣行そのものの持続可能性が問われ始めている。
今後こういう企業増えそう
—–
富士通は2026年卒から新卒一括採用を廃止し、職務内容を明示して募集する「ジョブ型採用」に完全移行した。
年度ごとの採用人数計画も作らず、「職務や専門性に応じて、必要な人材を時期を問わず採用していく」(人事担当者)という。https://t.co/OOr8vfVUI0— これでも大学職員 (@koredemo) December 28, 2025
参照:12月に大学4年生が就職活動…「通年採用」導入する企業増え、内定持ちながら「より良い企業」探す 読売新聞
- 富士通は2026年卒から新卒一括採用を廃止し、職務内容を明示した「ジョブ型の通年採用」に完全移行する。採用人数を年度で固定せず、必要な人材を時期を問わず採る方針。
- この動きに象徴されるように、通年採用を導入する企業は増加し、2026年卒では3割を超えた。人材不足を背景に、多様な学生を柔軟に確保しようとする狙いがある。
- 学生側も変化し、内定を得た後でも通年採用を行う大企業や外資系に再挑戦する例が増えている。12月になっても就活を続ける大学4年生は珍しくなくなった。
- 調査では、内定式後も就活を続ける学生は15%に上り、その3分の1以上は内定保有者だった。就活は早期終了型と長期化型に二極化している。
- 一方、日本では職務が不要になっても簡単に解雇できず、ジョブ型正社員は他部門への異動が前提になりやすい。ジョブローテーションを経験していない人材が対応できるかは不透明だ。
そこじゃない。ジョブがなくなっても解雇できない「ジョブ型雇用」なんて無意味。 https://t.co/N9DvW3VcuE
— 池田信夫 (@ikedanob) December 28, 2025
- この矛盾から、将来的にはジョブ型人材を契約社員で採る流れが強まる可能性もある。新卒が短期間で辞める前提なら、企業が新卒採用に力を入れる意味自体が薄れる。
内定式後に引き抜きとかやるのか。これ新卒採用担当って地獄でしょ(苦笑) →12月に大学4年生が就職活動…「通年採用」導入する企業増え、内定持ちながら「より良い企業」探す : 読売新聞オンライン https://t.co/UFtdQ9jbmN
— jo shigeyuki (@joshigeyuki) December 28, 2025
富士通などに見られる決断は、単なる採用手法の変更ではなく、日本的雇用慣行がだらだらと終わっていく過程を象徴している。「ジョブ型通年採用」の拡大は学生の選択肢を広げる一方で、新卒一括採用という仕組み自体を空洞化さていくことになる。いま起きている変化のツケを将来誰が払うのか。その答えは、すでに次の世代に回り始めている。







