朝日新聞が「世界で広まる『反科学』の主張。否定するだけでは公正でない」とする記事を掲載した。しかし、この記事に違和感を覚える読者は少なくない。なぜなら、科学的根拠よりも恐怖や不安を強調する報道によって、「反科学的空気」を長年にわたり社会に広めてきた中心的存在こそ、朝日新聞だからである。
朝日新聞「放射能が来る!」
朝日新聞「我が子の鼻血、なぜ!?」
朝日新聞「汚染水!」
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朝日新聞「風評加害者って誰?」
私「お前だよ」朝日新聞「HPVワクチン、医療者側の理解が進む!」
私「これまでさんざん非科学的に危険性を煽ってたお前がよく言えるな」… https://t.co/NFDC8ofbDY pic.twitter.com/HM11R2uiER— 新田 龍 (@nittaryo) December 30, 2025
- 朝日新聞は東日本大震災以降、「放射能が来る」「我が子の鼻血、なぜ!?」「汚染水」といった強い言葉を用い、科学的評価が定まる前から恐怖を前面に押し出す報道を繰り返してきた。
- これらの表現は、冷静な線量評価や疫学的知見よりも感情に訴え、福島や放射線に対する根拠なき不安を社会に定着させた。
- そうした経緯がありながら、後になって「風評加害者って誰?」と問いかける姿勢は、自らの責任を棚上げした自己免罪に映る。
- HPVワクチン報道でも、朝日新聞は長年にわたり危険性を強調し、接種忌避を煽ってきた当事者であるにもかかわらず、現在は「医療者側の理解が進む」と他人事のように伝えている。
- 科学的評価が固まった後に立場を変え、過去の報道検証や総括を行わない態度は、メディアとしての説明責任を放棄している。
- 震災の日に合わせて「ジョセンド」とカタカナ表記を用い、除染土を異物化する報道は、福島への偏見やスティグマを再生産する効果を持つ。
- 科学的には管理可能とされている事象を、あえて不気味なイメージで描写する手法は、風評被害を助長する典型例である。
- こうした積み重ねの末に、「反科学は否定するだけでは公正でない」と語るのは、原因を作った側が結果だけを憂慮するマッチポンプにほかならない。
- 反科学への最も公正な態度とは、感情論に寄り添うことではなく、科学的根拠に基づいて誤りを淡々と否定することである。
- 朝日新聞は、科学的に追い詰められると「そのデータは信じられない」と主張する一方で、自ら正しいデータを提示することはほとんどない。
- 科学と風評の間に乖離があるとき、多くの人は科学的知見で埋めようとするが、朝日新聞は風評の拡散によって埋めようとしてきた。
- 連載「プロメテウスの罠」は、被災者や被爆者の「実感」を科学的評価より上位に置き、感情を根拠のように扱う構成が繰り返された。
- その一方で、判断基準として暗黙に用いられているのは政府が定めた被曝限度であり、論理的な自己矛盾を抱えている。
- 朝日新聞は言論の自由を強調するが、その自由は反原発側だけでなく、電力事業者や異なる立場の専門家にも等しく保障されるべきである。
今回の「反科学」を憂慮する記事は、内容以前に、発信者としての自己検証が欠けている点が最大の問題である。科学的根拠よりも不安を煽り続けてきた過去を総括せずに、国際的な権威の虎の威を借りる形で「反科学」を語る資格があるのかが問われている。反科学と本気で向き合うのであれば、まず自らが拡散してきた風評とデマを直視し、検証し、訂正することから始めるべきである。

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