厚労省が初診料・再診料等を引き上げ:現役世代は保険料アップでさらなる負担

厚生労働省は2026年度の診療報酬改定で、初診料・再診料・入院基本料の引き上げを決めた。物価高や人件費上昇に対応する狙いだが、医療費は保険料で賄われる仕組みである以上、国民負担の増加に直結する。表向きは「医療機関の経営安定」だが、実態は国民皆保険制度を財源とした事実上の増税であり、政府とマスメディアが負担の増加も併せて説明する必要がある。

  • 厚労省は2026年度の診療報酬改定で、初診料・再診料・入院基本料の引き上げ方針を中医協に提示している。中医協は14日に骨子案を了承し、2月に具体的な改定案を答申する予定である。
  • 診療報酬全体は26~27年度の2年間平均で3.09%アップ
     → 物価高対応+医療従事者の賃上げが柱
  • 物価高対応では、初診料・再診料・入院基本料を引き上げ、特に病院に手厚い加算方式
     → さらに今後2年間の物価上昇を見越して上乗せする仕組みを導入
  • 賃上げ対応では、初診料・再診料・入院基本料に上乗せを行う
     → 看護師・リハビリ等は年3.5%、看護補助と事務は年5.7%のベースアップを想定
  • 診療報酬は公定価格であり、値上げは「医療費総額の増加=保険料の増加」を意味する。
  • 自己負担は1~3割にとどまり、残りは保険料で賄われるため、実態として現役世代の負担が増加することになる。
  • 自己負担1割の層は値上げの影響も10分の1になり、医療費抑制効果は限定的となる。
  • 協会けんぽの保険料率は法改正不要で更なる引き上げが可能になっている。
  • 国民皆保険では保険料支払いから逃れられず、特に給与所得者には避けられない負担増となる。
  • 政府・メディアは「医療機関支援」の側面のみを強調しているが、国民負担増の説明が不足している。

今回の診療報酬引き上げは、医療機関支援や人材確保という名目が掲げられる一方、制度の仕組み上、国民にとっては実質的な増税である。医療改革や効率化なしに公定価格を上げ続ければ、保険料上昇は避けられず、多くの国民、とりわけ給与所得者が負担を強いられることになる。

上野厚労相 厚生労働省HPより