「中道改革連合」という党名が抱える致命的な問題点

立憲民主党と公明党が結成で合意した新党の名称「中道改革連合」には、ネーミング、理念、実務の各レベルで深刻な問題が山積している。

NHKより

「民主」の名を捨てた象徴的意味

注目すべきは、新党名から「民主」という言葉が消えたことである。自由民主党、立憲民主党、国民民主党、社会民主党と、日本の主要政党の多くが「民主」を冠してきた。これは「国民が主権を持ち、話し合いながら、より良い社会を作り上げていく」という理念を示すものだった。

ところが「中道改革連合」には国民主権を示す言葉が含まれていない。「日本の社会は我々が改革して決める」という上から目線の姿勢、国民を見下す驕りすら感じさせる党名だという厳しい指摘がある。「立民はこの度民主主義を捨ててこの新党に合流するようなので、名前に民主を入れなくなったのはその魂を体現している」という痛烈な批判も見られる。

実務的な問題として、略称の問題がある。「中道改革連合」を略せば「中革」あるいは「中核連」となる。これは即座に「中核派と革マル派が合体したような名前」という連想を招いている。「左翼団体みたいな名称」という印象は、穏健な中道路線をアピールしたい新党にとって致命的なブランディングミスである。

党内の理念的矛盾

立憲民主党内には、かつての社会党の流れを汲む左派から、旧民主党の保守系まで幅広い勢力が共存している。長年の支持層には強いリベラル派が多い。

一方、公明党は中道・福祉重視を掲げつつ自公連立の一角として機能してきた。この両党が「中道」で一致するというのは「かなり無理筋」ではないか。

防衛(軍事)とエネルギー政策(原子力)という喫緊の課題について、両党の立場は大きく異なる。「何も決めない、現状維持という立場は中道ではない」という批判は正鵠を射ている。

支持母体が連合の立憲民主党と、創価学会という宗教団体の公明党。この水と油のような組み合わせが簡単に機能するとは考えにくい。創価学会員からは「立憲民主を投票してください」とは言えないだろうし、労働組合員も「宗教団体と一緒に選挙活動しなきゃならんのか」という不満が出るだろう。

1月にできたばかりの政党名が、2月初旬の選挙で無党派層に浸透するのは極めて困難である。「中道」という言葉自体、当事者以外には馴染みが薄く、「投票所に行って入れたいと思っても『あれ、何て名前だっけ?』となる人が続出する」という懸念は現実的だ。

両党に共通する深刻な問題として、若者からほとんど支持されていないという点がある。40代以下から支持されていないということは、今回の選挙だけでなく今後も苦しくなる見通ししかない。

結論として

「中道改革連合」という党名は、ターゲティングの失敗、ブランディングの失敗、そして理念の不在を象徴している。「中道」は「中国への道」と揶揄され、「改革」は「今更何を」と空虚に響き、「連合」は野合・選挙互助会の印象を強める。「民主」を捨てたことで国民主権の理念まで放棄したように見える。

党名が「命取りになった」という指摘は決して大げさではない。政策の中身以前に、この名称と急ごしらえの体制で有権者の心を掴むことは極めて困難だろう。「立憲公明党でよかったのでは」という皮肉が、かえって的確に思えてくるほどである。

尾藤克之(コラムニスト、著述家、作家)

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