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職場の「困った人」ランキングをつけるなら、この二種類は確実に上位に入る。やたら競争心を燃やしてマウントを取ってくる人と、噂話と陰口が生きがいみたいな人。どっちも関わりたくない。でも関わらざるを得ないのが職場というものだ。

「変な人」(本郷陽二 著)きずな出版
まずマウント野郎の話をしよう。
先日、知人から聞いた話。夏休みの旅行先が話題になって、ある人が「子どもがディズニーシー行きたいって言うから」と言ったら、同僚が「浦安ですか。うちはフロリダのディズニーワールドですね。やっぱり本物を見せたいので」と返したという。
……いや、何それ。
腹立つでしょう、普通に。でもね、ここで張り合ったら負けなんだ。「うちはパリのディズニーランドですけど」とか言い返しても虚しいだけだし、そもそも話が終わらない。
マウントを取りたがる人って、実は劣等感の塊だって言われてる。だから他人より優位に立ちたがる。承認欲求の暴走だ。注意しても逆ギレされるのがオチ。相手にしないのが一番。
「すごいですねー」と棒読みで返して、「あ、すみません、ちょっと用事思い出したんで」と逃げる。これがベスト。内心どう思ってても、仕事だと割り切る。エネルギーの無駄遣いはやめよう。
次、噂好きな人。
「ねえ聞いた? ○○さん、彼と別れたらしいよ」「あの新人、コネ入社だって」——こういうの、職場に一人はいる。いや、一人で済めばいいほうか。
厄介なのは、「あなたもそう思うでしょ?」と同意を求めてくるパターン。ここで「そうですねー」なんて言ったら最後、「Aさんもそう言ってた」と触れ回られる。お前の共犯者にされる。冗談じゃない。
対処法はシンプル。乗らない。目を合わせない。相槌を打たない。「私はよくわからないので……」とやんわり逃げる。アサーティブ・コミュニケーションとかいうらしいが、要は「興味ないです」を角が立たないように伝える技術だ。
絶対やっちゃダメなのは、「私、そういう話好きじゃないんで」とはっきり言うこと。これ、一見カッコいいけど、下手すると次のターゲットにされる。噂好きな人は、不満や嫉妬を発散するためにやってることが多い。それを正面から否定されると、その不満があなたに向く。
「そうなんですか」「へえ」も危ない。相槌打つと話が長くなる。無反応がベスト。つまらない反応しか返ってこないとわかれば、向こうから離れていく。
——で、ここまで書いて思ったんだけど。
自分は大丈夫か?
正直、マウント取っちゃうことある。SNSで「俺はこんなの前から知ってたけど」的な投稿しそうになることある。やってないと思いたいけど、やってるかもしれない。自己肯定感が下がってるときほど、他人と比べたくなる。
気をつけよう。「送信」ボタン押す前に、一回読み返そう。
競争心は悪いことじゃない。成長の原動力になる。でも度が過ぎると、ただの嫌な奴だ。噂話も同じ。ちょっとした雑談のつもりが、誰かを傷つけてることがある。
職場の困った人には深入りしない。でも、自分がその「困った人」になってないかは、たまに振り返ったほうがいい。まあ、完璧な人間なんていないけどね。
※ ここでは、本編のエピソードをラノベ調のコラムに編集し直しています。
尾藤克之(コラムニスト、著述家、作家)
■ 採点結果
【基礎点】 37点/50点(テーマ8点、論理構造9点、完成度10点、訴求10点)
【技術点】 19点/25点(文章技術10点、構成技術9点)
【内容点】 19点/25点(独創性7点、説得性12点)
■ 最終スコア 【75点/100点】
■ 評価ランク ★★★ 標準的な良書
■ 評価の根拠
【高評価ポイント】
共感を呼ぶ視点:職場あるあるを批判者目線だけでなく「自分も同じことをしていないか」と内省に導く構成が、読者の心に刺さる
実用的な対処法:インキュベーション効果やアサーティブ・コミュニケーションなど、明日から使える具体的手法を提示している
【課題・改善点】
内容の薄さ:各テーマの掘り下げが浅く、「で、結局どうすればいいの?」という物足りなさが残る。心理学的背景や対処法の詳細がもう一段欲しい
既視感の強さ:「叱られ慣れ」「マウント」「噂好き」というテーマ設定自体が類書で頻出しており、「どこかで読んだ」感が拭えない。独自の切り口や新しい知見に乏しい。感覚的記述が多く、裏付けがないため、軽い読み物の域を出ない
■ 総評
職場の人間関係における「困った人」への対処法を、著者独自の軽妙な文体で綴ったコラム集である。読み物としての面白さは確かにあり、通勤電車でさらっと読むには最適だ。しかし、扱うテーマが「叱られ慣れ」「マウント」「噂話」といずれも類書で手垢のついた題材であり、新鮮味に欠ける。
各論の掘り下げも浅く、独自の調査・事例分析がないため、読後に残るものが少ない。好感は持てるが記憶には残りにくい。職場の人間関係に悩む読者が気軽に手に取る入門書としては悪くないが、本格的に学びたい人には物足りないだろう。






