投資サギを一秒で見抜く簡単な方法。(中嶋 よしふみ)

NORIMA/iStock

投資サギの被害を報じるニュースが後をたたない。興味がない人は目にも入っていないかもしれないが、億単位の被害も珍しくない。

そもそも「投資サギ」というワードがすでに冗談半分に聞こえてしまうが、これだけネットが発展して情報がいくらでも手に入る時代でも投資サギは全く消えていない。

どうすれば投資サギを見抜けるのか?
どうすれば投資サギに引っ掛からずに済むのか?

答えは簡単だ。

元本保証はサギの目印。
国内の金融機関以外で投資をしない。 

この二つだけを鉄則として覚えて、守ればいい。

元本保証はサギの目印である。

資産運用で元本保証が約束されている場合はサギと断言して良い。

元本を保証して資金を集めることは、出資法という法律によって銀行や信用金庫など限られた金融機関にしか認められていない。つまりそれ以外で元本保証をうたえば違法行為だ。

投資サギのニュースを見ると「出資法違反」の容疑で摘発されているケースは非常に多い。なんとなく聞き覚えのある人もいるかもしれない。それだけ元本保証という言葉に弱い人が多いということになるが、実際にはその正反対で元本保証は「詐欺の目印」だ。

利回りの目安。

投資詐欺に引っかかる人は、「自分がいくら貰えるか?」という部分しか考えていないのかもしれないが、利益や配当を受け取るには事業で利益が出ていることが前提だ。投資家が受け取る配当は発生した利益の一部でしかない。

ここで妥当な投資の利益を判断する基準を説明しよう。

リスク無しで得られる利益は国内の定期預金の金利を目安にすればいい。正しくは日本国債の長期金利だが、より簡単な方法としては定期預金でも十分だ。

これはリスクフリーレートとも呼ばれ、投資の判断基準となる。例えばリスク無しで得られる金利の水準が年率1%だとする。

その時に、2%の配当を出しますと約束する投資案件ならばリスクフリーレートを上回った分の利益は国債を買うとか銀行に預ける以外の何かしら事業を行わなければ払えない。お金は天から降っては来ないからだ。

その事業が不動産投資でもサプリメントの販売でも牛の畜産でも健康器具の貸し出しでも高級時計の貸し出しでも女性向けシェアハウスの運営でも、上手く行くかは分からない。

つまりは「リスク」がある。

事業運営で絶対に儲かるものはない。リスクゼロ、リスクフリーは絶対にない。絶対に、だ。

そしてそれがそのまま投資のリスクとなる。

「投資のリスクは事業のリスク」と考えれば、法律の話を横に置いても元本保証があり得ない事は分かるだろう。

元本保証が無理な理由は法律で禁止されているからではなく、そもそも不可能な話だからだ。

これが貸し付けならば信用リスクとなり、絶対に破産しない人や会社はいないため、事業リスクと同じでリスクゼロは無い。

なお、国内の定期預金、日本国債と書いた通り、海外の預金や外国の国債(外債)はリスクゼロではない。為替変動があるからだ。この判断はあくまで円で行う。海外の金利が高い事は円建てでの元本保証と無関係であることは明言しておく。

実際に儲かった、というウソ。

現在進行形でサギに騙されて気付いていない人もいるだろう。配当を受け取っているからこれはサギじゃない、と。

投資詐欺を信用させる一番簡単な方法は、実際に配当を支払うことだ。当初は配当を払って信用させ、被害者から追加でおカネを集める。そして家族・友人にも勧誘するように伝える。

勧誘が成功すれば謝礼も支払う。たとえば利回りが10%ならば10年間は受け取った資金から配当の支払いが可能だ。

そしてある程度のおカネが集まったら最後は逃げて終わりだ。集めたおカネで配当を払うテクニックを「ポンジ・スキーム」と呼ぶ。

最も簡単で効果のある投資サギの手法だ。

投資で取るべきリスクとは?

じゃあ結局どうすれば良いのか?という事になるが、冒頭に書いた通り国内の金融機関で投資をすればいい、という事になる。

銀行、証券、生保はいずれも金融商品の販売で度々問題を起こしているが、少なくとも詐欺に引っかかるリスクはない。

リスクを取らないと投資で利益を得られない、という話はあくまで事業リスクや信用リスクの話で、投資サギのリスクを取る事ではない。

高級時計に投資をして貸し出して利益を得られる、としてお金を集めたトケマッチの経営者はドバイに逃亡して現在は国際指名手配をされている。

投資サギなんて本当にあるの?
今時そんなことやったらすぐバレるしすぐに捕まるでしょ?

そんなフツーの常識は犯罪者には通用しない事はトケマッチの事例を見れば分かるだろう。あなたが投じたお金は翌日にはサギ師が夜逃げして盗まれるかもしれない。

そして投資サギの被害はほぼ100%戻ってこない。投資サギの運営にもコストがかかり、人を雇うにも給料が必用だからだ。

現在の投資サギは「投資サギ株式会社」とでも言えるようなやり方で運営されている。オレオレサギがSNSで人を集めて雇っているのと同じで、投じたお金は首謀者の懐だけではなく、家賃や人件費で消える。そして回収出来ない。これは豊田商事事件の起きた昭和から変わらない。

元本保証はサギの目印。
国内の金融機関以外で投資をしない。

この二つを鉄則として覚えて、守ればいい、という事はしつこく伝えておきたい。

中嶋 よしふみ  FP シェアーズカフェ・オンライン編集長
2011年にFPのお店、シェアーズカフェを開業。保険を売らず有料相談を提供するFP。共働きの夫婦向けに住宅を中心として保険・投資・家計・年金までトータルでプライベートレッスンを提供中。「損得よりリスクと資金繰り」がモットー。東洋経済・プレジデント・日経DUAL等のメディアで連載、執筆。新聞/雑誌/テレビ/ラジオ等に出演・取材協力多数。2013年、士業・専門家が集うウェブメディア、シェアーズカフェ・オンラインを開設、翌年よりYahoo!ニュースに配信を開始。専門家向けに執筆指導も行う。著書に「住宅ローンのしあわせな借り方、返し方(日経BP)」「一生お金に困らない人 死ぬまでお金に困る人(大和書房)」。お金より料理が好きな79年生まれ。
公式サイト https://sharescafe.com
X(旧Twitter) https://twitter.com/valuefp

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編集部より:この記事は「シェアーズカフェ・オンライン」2025年9月30日のエントリーより転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はシェアーズカフェ・オンラインをご覧ください。