ある報道に30代のパワーカップルが1億2千万円のタワマンを頭金なしで購入したとありました。私の即座の疑問はこの2人はどういう生活設計をしているのだろう、という点です。ローン返済は当然、ダブルインカムであることで返済額が算出されます。では子供ができた場合、奥さんはその後も休みもせず、同じペースで働く前提だとすれば子供の面倒は誰が見るのでしょうか?

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よくあるのが子供は作らず2人で稼いで、せっせとローン返済をするパタン。しかし、30代で50年近いローンを組めば完済は80歳近く。それはあり得ないし、子供がいなければ二世代ローンにもなりません。「最後まで住むつもりはない」という方が多いのも知っていますが、思った金額で売れるのでしょうか?つまり売ったらローン債務だけが残ったというケースは私はバブルの頃にたくさん見てきているのです。更に離婚するリスクも数割あることを計算すべきです。
当地に来るワーキングホリディの方々にみられる典型パタンがあります。会社で5-6年すごして社会人経験は十分にあります。ですが、彼ら彼女らに考える能力が欠落しているのです。多分、日本で勤務していた時はマニュアルと組織と上司やAIの目で縛られていたのでしょう。自分のやるべき仕事は何も考えなくても流れに沿うように行います。「考えるより慣れろ」。この社会構造が生み出した弱さは否定出来ないと思います。なので新しい環境になると何をどうしてよいか全くわからない、挙句の果てにあまりのできなさに不甲斐なくなるのか、三日坊主、つまり3日後に「辞めさせていただきます」。
残念ながらそんなこともあり、諸外国との様々な比較では日本はずるずるランクを落とし続けています。ただ、諸外国もクオリティ面では下がっているので皆で下がってきていると言ってよいでしょう。
それを補っているのがテクノロジーで、AIの普及は恐ろしいスピードで進みます。昨今言われているのが「次の衰退産業はソフトウェア企業」だろうされています。脅威はアンソロピックだけではないと思います。今後プラグイン型のAIがどんどん出てくれば世の中の絵図は完全に変わります。もう少し先かと思っていましたが、どうもあと数年で劇的転換点が来ると思います。その時、働く人はAIなしに仕事ができなくなるのです。
人間は何を生きがいにするのか、ただ、食べて、寝て、遊んで暮らすのでしょうか?FIREされた方の一部は現役復帰をしているケースもあります。理由は医学の進歩で元気で長生きできてしまうのです。今はゴルフが楽しくても仲間がいるからこそ楽しいもの。旅行やハイキングに一人で行くのは寂しいですよね。結局、人は会社や趣味の集まりなど組織に所属して人間同士の付き合いをすることで生きがいを感じるものだと思います。
ですが、今後、AIやテクノロジーに頼った人々は人とつるむことはできなくなるとみています。「組織?うざいし」「別に家族とスマホがあれば問題ないし…」という社会です。組織に入るにはギブ アンド テイクなのですが、ギブができないのでしょう。自己中心型の社会に変貌しているので貰うことだけが主眼になってきています。
どうすればよいのでしょうか?ボケ防止に脳トレをやる方が多いのと同様、元気な人は自分の頭で考える、そして考えるためには頭を磨き続ける、これしかないと思うのです。頭皮をシャンプーするのではなく、脳みそを揉み続けるのです。
幸い、このブログをお読みの方は長くお付き合いさせていただいている方が多いと理解しております。またコメント欄も真摯なものが多いのですが、私はこれを頭の体操だと思って読んでいただければと思うのです。幸いにして私は海外で暮らしているのでモノの見方が日本の方とは違うと思います。先日もある本に「海外に長いと考え方がドライになる」とありましたが、その通りです。カナダ人の影響を受けたこともあり、自分で論理構成を考えるようになるのです。どうしたらよいのだろう、なぜこうなのだろう、どこで失敗したのだろう…。私は人に頼らず、自分で問題解決を試みるタイプなので大概、何らかの失敗があるのです。それを奇貨として自分の年輪を重ねるのです。
思慮には無限の深さがあります。思慮は経験に基づき、体得することでより強く影響を受けるものです。しかし、お仕着せ、出来合いの「アミューズメント」に慣れ親しんでしまえば、ある日突然、何もない山に放り出されたとき、呆然とするかもしれません。「俺、何したらいいんだよ!」と。カナダにいると人造のアミューズメントは少ないので人々は生み出すのです。数多くの大小のイベント、そしてそれに参加したり主催者をボランティアで手伝ったりします。とても人間臭い一方、日本に行くと時として人間関係が希薄であれっと思ってしまうのです。
日本をよくしよう、と思う我々が挑むのはAIに飲み込まれない人間力を養うことです。そのためにも我々は考えることを止めてはいけないです。
では今日はこのぐらいで。
編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2026年2月22日の記事より転載させていただきました。







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