自民・小野寺税調会長、関税払い戻しを提起:米国と喧嘩するつもり?

自民党の小野寺五典税制調査会長が、米国の関税政策をめぐり強い言葉で批判した。22日のフジテレビ番組で小野寺氏ドナルド・トランプ大統領が各国・地域に課す追加関税を、従来の10%から15%へと変更したことについて、「正直に言うとむちゃくちゃだ」と断じた。

企業の設備投資やサプライチェーン構築には予見性が不可欠であるにもかかわらず、唐突な政策変更が繰り返されれば、「ますます米国離れが進むのではないか」と懸念を示した形だ。経済合理性よりも政治的パフォーマンスが優先されている、という批判が滲む発言である。

小野寺五典議員 自民党HPより

最高裁判決を根拠に「関税は返すべきだ」

小野寺氏の発言が注目を集めた理由は、それだけではない。トランプ政権が導入した「相互関税」などの措置が、米連邦最高裁判所によって違法と判断されたことを受け、「(企業が)支払った関税は返してくださいということは当然だ」と踏み込んだ点だ。

この最高裁判断は、関税発動の法的根拠や大統領権限の限界を厳しく問うものであり、米国内でもトランプ流の通商政策に対する大きなブレーキとなった。小野寺氏はその流れを踏まえ、日本企業が被った不利益を正面から問題提起したと言える。

一貫する「米国への批判姿勢」

実は小野寺氏は、今回が初めて米国の対外行動を批判したわけではない。過去には、米国によるベネズエラへの軍事的圧力についても否定的な見解を示しており、米国の行動を無条件に追認しないスタンスは一貫している。

時に横暴に振る舞い、日本を含む同盟国を半ば当然のように巻き込んできた米国の姿勢を、同盟国側の政治家が批判することに、爽快感を覚える向きも少なくないだろう。

しかし「同盟国」への配慮は十分か

ただし、問題はその先にある。米国は依然として日本にとって最大の同盟国であり、同時に、軍事・経済・外交の各分野で勢力を拡大しすぎた結果、疲弊と限界を感じ始めている国家でもある。そうした相手に対して、公の場で感情的とも取れる批判を展開することが、本当に日本の国益に資するのかは慎重に考える必要がある。

日本の要望や不満を伝えるのであれば、表のマイクではなく、裏チャンネルで粘り強く交渉することの方が実効性は高い。もし今回の発言が、国内向けのパフォーマンスにとどまり、実際に関税返還や政策修正を引き出す行動につながらないのであれば、与党幹部としては発言の重さを自覚すべきだろう。

問われるのは「言った後、何をするか」

小野寺氏の問題提起自体は、論理的にも感情的にも理解できる。だが、外交は喝采を浴びる発言競争ではない。とりわけ同盟国との関係では、「正論を言ったか」以上に、「言った後に何を実現したか」が問われる。

今回の強い言葉が、日本企業の実利につながるのか、それとも単なるガス抜きで終わるのか。小野寺氏、そして日本の与党政治家全体の外交的成熟度が、いま試されている。

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