好きなことができる人生を実現する「ベーシックインフラ」

内藤 忍

世の中のほとんどの人たちは、好きなことができる人生ではなく、嫌なことを我慢しながら毎日の生活を送っています。その原因は「お金と時間の制約」にあるのではないかと思います。

お金がなければ、自分のやりたいことが実現できません。

また、時間に追われてしまえば自分の自由な時間を得ることができません。

今、働いている環境に不満があったとしても、辞めてしまえば収入はゼロになってしまいます。忙しくて自分の時間が確保できなくても、収入のために仕方なく仕事を続けざるを得ないのです。

恵まれた待遇の一流企業に勤めている人であればあるほど現状の環境を捨てることに躊躇してしまい、不満があっても現状から脱却できないものです。

若者の「自分が本当にやりたいことができない」という悩みを解決するための仕組みとして香川県三豊市には「ベーシックインフラ」というユニークな制度があります。

これは三豊で週に3回3時間の農業の手伝いをすることによって、光熱費負担のない住居が提供されるものです。

週3回だけ朝の早い時間に農業をすれば、住居費の心配は無くなります。その日の午後からと残りの週4日は自分のやりたいことに時間を割くことができます。物価が安い地方なら月に数万円あれば食費は賄えます。

最低限の生活の保証を確保した上で新しいチャレンジができるのが「ベーシックインフラ」のメリットです。

実際に三豊には起業を志す若者が会社を辞めてたくさん移住してきて、この制度を使って新たな事業を次々と立ち上げています。

多くの若者は農業以外の自由な時間で三豊にある事業に関わり、そこから収益を得ています。ある程度の資金が貯まれば、いよいよ自分の事業にチャレンジすることも可能です。

その際には自己資金だけではなく、三豊で関わった人たちから出資などのサポートを受けられることもあります。それまでの働きぶりで信用を積み重ねた人は資金調達には苦労しません。

このようなやり方であれば、いきなり会社を辞めて自分で起業するといった方法より圧倒的にリスクは小さくなります。

立ち上げた仕事が軌道に乗れば、自分のやりたいように事業を進めることができ、時間の自由を得ることができます。また安定した収益が得られるようになれば、お金の制約からも解放されます。

三豊にはこんな風にして好きなことができる人生を実現している人たちがたくさんいます。

他人の人生に憧れるだけで、行動することなく自分の人生の不満を持ち続ける人生。それよりは自分が本当にやりたいことを見つけ、それに没頭できる方法を具体的に考え抜いて実行すべきです。

東京では自分のやりたいことを実現できず諦めていた人でも三豊に行けば一気にハードルが下がります。

もし自分が20代に戻れるなら、三豊に行って「ベーシックインフラ」を活用してチャレンジしてみたいなと思いました。

b-bee/iStock


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2026年3月17日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。

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