海外でクレカ払いは実は「情弱」

内藤 忍

hatchapong/iStock

海外に出かけると、空港や街中で現地通貨に両替する人がいます。高い手数料を払って現金に交換するのは勿体ないとずっと思っていました。

それよりもクレジットカードで支払いをすれば、両替の手数料がかからず、ポイントも貯まり一石二鳥。しかも、現金を持ち歩くリスクもなく安全性も高いからです。

しかし、そんな私の認識が実は間違っていたことに最近気が付きました。

日本のクレジットカードを海外で利用すると基準レートにカード会社が独自の事務手数料が上乗せされています。

とあるカード会社の担当者に聞いてみると、最近は3.5%かかっているそうです。

つまり海外で100万円のクレジットカード決済をすれば3万5000円が手数料として消えていくことになります。

これは円換算する時の為替レートに織り込まれているので、手数料として表示される事はありません。

私を含め多くの人は、クレジットカードの方が「ポイントが貯まってお得」「現金を持ち歩くのはリスク」というカード会社の宣伝文句を盲信しています。

確かに両替店で現金に交換するよりは手数料が低く、お金の使い残しがないメリットがあるかもしれません。ただ、それは両替より「マシ」というだけの話です。知らないうちにカード会社のカモにされている事実は変わりません。

また、クレジットカードの方が安全というのも幻想かもしれません。海外では知らないうちにカード情報をスキミングされ悪用される被害が増えています。クレジットカードで思わぬトラブルに巻き込まれるリスクもあるのです。

むしろ現金の方が安全とさえ言えるのではないでしょうか。

両替もクレジットカード利用もやめたほうが良いとすると、海外ではどのように現地での支払いを行うのが良いでしょうか?

1つの方法は外貨預金から直接引き落とされるデビットカードを活用することです。これなら為替手数料を取られることもありません。

また海外にある銀行口座を活用するのも一法です。例えばアメリカであればハワイにある銀行の口座から現金で米ドルを引き出せばコストはかかりません。

海外ではクレジットカードで支払うのが賢い方法と思い込んでいる人は実は「情弱」です。

海外でクレジットカード払いをしたら、利用明細に記載された換算為替レートを見てください。その日の為替マーケットでの取引レートと比較してみればリアルに自分が払っているコストを計算することができます

現地で両替する人も、クレジットカード払いをする人も程度の差はあれ金融機関に搾取されている点では同じです。

金融リテラシーを身につけ、見えないコストに注意を払い、資産が目減りしていくのを出来る限り防ぎたいものです。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2026年3月22日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。

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