補助金で石油の消費を増やしながら供給制限する自民党の頭の中

自民党の会議で小林政調会長は「石油連盟からは、今後石油の供給が仮に減少するシナリオも頭に入れて、石油の需要対策、こうしたものも念頭に置いてほしいという話があった」と述べ、供給減少を前提とした需要抑制の必要性に言及した。しかし、これまでの対応は一貫性を欠き、補助金で需要を刺激しながら供給制限を議論するという矛盾した政策運営が浮き彫りになっている。

  • 自民党の会議では、ホルムズ海峡の事実上の封鎖が長期化すれば、石油製品の供給制限が7月にも必要になる可能性が石油元売り側から示され、事態は単なる価格高騰ではなく物理的な供給不足の局面に入りつつあるとの認識が共有された
  • 石油連盟は、仮にアメリカなど代替供給源から原油を確保できても、日本に到着するのは最短でも6月になると説明し、物流制約の厳しさと時間的ラグが強調された
  • 政府・与党に対しては、在宅勤務の推奨や公共交通の利用促進、高速道路の速度制限引き下げなど、需要そのものを抑制する具体策が提示され、戦時的な節約モードへの移行が議論された
  • 一方で、政府はこれまでガソリン補助金などで価格を抑え、消費を下支えしてきた経緯があり、需要抑制との政策的整合性が問われる状況となっている
  • 出席議員からは、もはや価格対策ではなく、限られた資源をどう配分するかという供給管理の段階に入ったとの指摘が相次ぎ、危機の性質が構造的に変化していることが示された
  • さらに、ホルムズ海峡の安全確保をめぐり、自衛隊の既存派遣部隊の活用など安全保障面での対応も議論され、エネルギー問題が外交・軍事と直結する局面に入っていることが明らかとなった
  • しかし、こうした需要抑制の議論と並行して、従来型の補助金政策を続けてきた政府の姿勢については、需要を増やす政策と抑える政策が同時に存在するという根本的な矛盾が露呈している

この状況は、1970年代の石油危機において総需要抑制を徹底した対応とは対照的である。当時は金融引き締めや公共投資抑制を通じて需要そのものを冷やし、資源制約に適応する政策が採られた。それに対し現在は、補助金による需要維持と供給制限の議論が同時進行する「アクセルとブレーキの同時踏み込み」とも言える状態に陥っている。

小林鷹之政調会長 自民党HPより

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