投資家に憧れる高校生に知って欲しいこと

内藤 忍

第一生命が発表した「大人になったらなりたいもの」の調査結果で、高校生男子のなりたい職業に「投資家」が初めてランクインしました。

大企業のサラリーマンや公務員といった安定した職業と比べるとまだ比率は少ないものの、世の中の価値観の大きな変化を感じます。

資産デザイン研究所の代表として資産運用を啓蒙しながら自らも投資を実践している立場からすると感慨深いものがあります。

今の高校生が自分の将来を考える際に「投資」という選択肢をポジティブに捉えている事実は、日本人のお金に対する感覚がようやく一歩前進した証拠かもしれません。

彼らは、自分たちの親の世代の「銀行に預けていれば安心」という価値観が既に崩壊していることを肌で感じているのです。

インフレのリスクが顕在化し円安が進み、自分たちの将来は自らの手で守らなければならないという危機意識を直観的に持っているのでしょう。

しかし、ここで冷静に考えなければならないのは、彼らが抱いている「投資家」のイメージです。

もしパソコンの前に張り付いてチャートを追いかけ、短期売買を繰り返し一喜一憂するようなスタイルを投資家としてイメージしているのだとすれば、私が提唱している「資産をデザインする」というやり方とは真逆です。

私が考える投資とは、自分が働かなくても良いようにお金に働いてもらう「仕組み」を作ることです。短期的な価格変動には囚われず、資本を適切な場所に配分することで、仕組みから収益を得る戦略です。

また投資家が職業として人気化するのは嬉しいですが、それは単に「楽をして稼ぐ」手段ではありません。

社会のニーズを読み解き、リスクを適切にコントロールしながら、将来の不確実性に立ち向かう知的で精神的にはハードな仕事です。

高校生たちがその本質に気づき、投機に走るのではなく真の投資家を目指してくれることを願っています。

世の中には、まだ投資を「不労所得」と偏見を持って見る大人も少なくありません。

しかし、経済を循環させ、イノベーションを支えるのは、紛れもなく投資家の役割です。

若いうちから金融リテラシーを高め、資本主義のルールを味方につけることは、これからの日本を生き抜くために必須のスキルです。

投資が特別なことではなく、当たり前のリテラシーとして根付いている社会が日本にも早く到来して欲しいものです。

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west/iStock


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2026年3月26日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。

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