トランプ氏の「長く居続ける必要はない」発言の背景

ホワイトハウスXより

米紙『WSJ』が現地時間30日、トランプ大統領が側近らに「ホルムズ海峡封鎖されたままでも対イラン軍事作戦を終了させる用意ある」と述べたと報じた

このトランプ発言にブルッキングス研究所のスーザン・マロニー副所長が反応し、「信じられないほど無責任だ」と批判したようだ。だが然らば、イランに海峡封鎖を解かせるにはどうしたら良いと言うのか。それには沈黙する辺りが、如何にも民主党寄りのこの研究所の満目躍如たる所以。

マロニー女史に代わって考えるに、その方法は、a=強制的に解くか、b=自発的に解かせるか、の二通りということになろう。少し具体的に言うなら、aは米国が地上軍を派遣してイランを徹底的に潰す、bは停戦 or 休戦だ。

aを選択すれとどうなるか想像するに、それは戦争が長期にわたって泥沼化し、古くはベトナム、新しくはアフガニスタンのような事態に陥ることを意味しよう。それはトランプ流にそぐわないし、政権は「戦争に勝って、政治で負ける」ことになるだろう。

bは、訪米する高市に本欄で筆者が勧めた案に近い。戦争に勝っているのだから、トランプ大統領が勝利宣言し、一方的に停戦してしまうのだ。米が誘う交渉にイランが応じないのだから仕方ない。果たしてイランはどうするか。米国本土を攻める力はないから、イスラエル攻撃を継続するのか。

だが、その事態ならホルムズ海峡封鎖を続ける大義をイランは失う。ならばと、湾岸諸国の攻撃を続けるなら、それは確かに海峡封鎖を伴う。が、在米軍基地に加えるに石油関連施設や淡水化施設への攻撃は、自らテロ国家であることを証明してしまい、イランは決定的かつ絶望的に世界から孤立する。

トランプ氏はそれを狙っている節がある。米国は31日、イラン本土への打撃の度合いを引き上げ、「核施設のあるイスファハンの弾薬貯蔵庫に約907キログラム級のバンカーバスター爆弾を投下した」という。イスファハンはイランの主要核施設が密集する地域である。

そして同じ日、トランプ氏は「(イランは)完全に壊滅している。我々が長く居続ける必要はない」と『NYT』紙に語り、ホルムズ海峡について、米軍が中東での軍事作戦を終えれば「自動的に開かれる」とした。イスファハン攻撃には、イランの核開発計画を排除したと強調する目論見があろう。

日米の主流メディアや識者らは懐疑的だが、米政権はこれまでの11000回を超える攻撃でイランの空軍と海軍を壊滅させ、ミサイルとドローンの在庫と生産能力を9割方減じたとしている。ヒズボラやハマスやフーシ派ら代理テロ勢力を援助する余力も乏しかろうから、米国はそれらに対処するイスラエルと湾岸諸国の支援に徹すれば良い。

トランプ氏の「我々が長く居続ける必要はない」発言には、こうしたことが念頭にあるのではなかろうか。今や彼の頭の多くは、原油相場を高騰させているホルムズ封鎖を如何に早く解くかが占めている。イランのペゼシュキアン大統領も、再び攻撃を受けない保証を得られれば戦闘を停止する用意があるようだ。停戦が近いのではないか。

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