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1. 日本の補助金
この記事では、GDP分配面のうち、政府の取り分から控除される補助金について、国際比較をご紹介します。
GDPの分配面では、労働力を提供した雇用者には雇用者報酬が、生産能力を提供した資本には固定資本減耗が、企業には営業余剰・混合所得が分配され、政府には生産・輸入品に課される税が分配された上で、補助金が控除されます。

補助金とは、政府から生産者に対して、経常費用を賄うために交付され、モノやサービスの価格を低下させる経常交付金とされています。
補助金によって販売価格が下がるため、その分を政府からの分配として扱うということですね。

図1 生産・輸入品に課される税-補助金 日本
国民経済計算より
図1が日本の生産・輸入品に課される税と補助金の推移です。
補助金は控除される項目なので、マイナス側として表現されています。
日本の補助金は、3~4兆円で推移していて、ここ数年で大きく増加しています。
2. 1人あたりの推移
ここからはでは日本の補助金が多いのか、国際比較をしてみたいと思います。
まずは人口1人あたりの水準から見ていきましょう。

図2 補助金 1人あたり
OECD Data Explorerより
図2が、主要先進国の補助金について、人口1人あたりの水準(為替レート換算値)の推移です。
日本(青)は横ばい傾向が続いていますが、2000年代以降はイギリス、アメリカと同程度で推移していました。
他の主要先進国は日本よりかなり多いようです。
2020年、2021年は各国で大きく増加していて、特にアメリカ、イギリス、カナダが跳ね上がっている状況がわかります。
コロナ禍に対応した補助金と見られますが、各国でその程度が異なる事がわかりますね。
最新の2023年でもイギリスは元の水準に戻ってなく、例年からすると高い数値となっています。
日本はここ数年で増加していますが、他国と比べればかなり低く抑えられているようです。
3. 1人あたりの国際比較
続いて、人口1人あたりの補助金について、最新値の国際比較をしてみましょう。

図3 補助金 1人あたり 2023年
OECD Data Explorerより
図3が人口1人あたりの補助金について、2023年の国際比較です。
日本は468ドルで、OECD35か国中22位、G7中6で先進国の中ではやや少ない方になるようです。
4. 対GDP比の推移
つづいて、対GDP比の比較もしていきましょう。

図4 補助金 対GDP比
OECD Data Explorerより
図4が補助金 対GDP比の推移です。
日本はアメリカよりもやや高いながら、他国と比べれば低い水準が継続していました。
2022年、2023年で大きく拡大していますが、インフレに伴った対策なのか、今後も続く恒久的な変化なのか気になるところですね。
とはいえ、それでもまだ他国よりも低い水準となるようです。
アメリカ、イギリス、カナダの跳ね上がり方が対GDP比でも確認できますが、特にイギリスは2023年でも2.0%とドイツ並みになっています。
イギリスは2010年代から上昇傾向が続いていましたので、相対的に低い水準からドイツ、イタリア並みへと変化したのか、今後の推移が気になる変化です。
5. 対GDP比の国際比較
最後に、補助金 対GDP比の国際比較です。

図5 補助金 対GDP比 2023年
OECD Data Explorerより
図5は補助金 対GDP比の2023年の国際比較です。
日本は1.4%でOECD35か国中20位、G7中6位です。
先進国の中ではやや低いですが、平均値に近い水準となっているようです。
アメリカが0.4%とかなり低いのが特徴的ですね。
6. 補助金の特徴
この記事では、GDP分配面のうち政府への分配から控除される補助金について、国際比較した結果をご紹介しました。
日本の補助金は、先進国の中ではかなり少ない水準でしたが、ここ数年で拡大していて最新値では先進国中程度にまで増えています。
今後もこの傾向が続くのか、一時的なものなのか気になるところですね。
欧州とアメリカでの社会システムの違いも良く表れている統計データであるとも感じました。
皆さんはどのように考えますか?
編集部より:この記事は株式会社小川製作所 小川製作所ブログ 2026年4月3日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は「小川製作所ブログ:日本の経済統計と転換点」をご覧ください。







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