復活祭(イースター)の朝、トランプ大統領はTruth Socialに異例の投稿を行った。「火曜日はイランで発電所の日であり、橋の日だ。類を見ないものになるだろう。くそったれた海峡を開けろ、この狂った野郎どもよ、さもなくば地獄に住むことになるぞ――アッラーが讃えられんことを」。キリスト教最大の祝祭日の朝に投稿されたこの粗野な脅し文句は、単なるトランプ流のレトリックとして片付けることはできない。そこには、思い通りに進まない戦争への焦りと、深刻な戦略的誤算が透けて見える。
ドナルド・J・トランプ(@realDonaldTrump)
火曜日は「発電所の日」であり「橋の日」でもある――それがイランで一つにまとまる。これまでにないものになるだろう!!!
あのクソみたいな海峡を開けろ、このイカれた野郎どもめ。さもないと地獄で生きることになるぞ――よく見ていろ!
アッラーに賛美あれ。ドナルド・J・トランプ大統領

トランプ大統領 ホワイトハウスXより
ホルムズ海峡という誤算
開戦から約1か月が経過したが、米国はイランが封鎖したホルムズ海峡の再開通を実現できていない。トランプ政権がイランのホルムズ海峡封鎖の意志を過小評価した背景には、封鎖はイラン自身にとっても米国以上に打撃になるという判断があった。しかし現実はその読みを裏切った。議会への機密ブリーフィングでは、議員たちが海峡を再開通させるための具体的な作戦計画の欠如を追及し、国際経済を脅かす規模の脅威に対する近い将来の解決策は示されなかった。
トランプとネタニヤフが開戦した際、両者はイラン政権の性格とその防衛能力を正確に把握していなかった。米国・イスラエルの空と海からの軍事力がイランを速やかに降伏させ、イラン国民が望ましい体制転換を起こすだろうという読みがあったが、それは実現していない。
「脅し」はトランプの常套手段だが
今回の粗野な投稿は、トランプが長年にわたって使ってきた「恫喝外交」の延長線上にある。 2016年の選挙戦で「メキシコに壁の費用を100%払わせる」と公言したメキシコ国境壁問題、北朝鮮への「炎と怒り」発言、デンマークへのグリーンランド購入圧力に至るまで、トランプは過激な言葉で相手の譲歩を引き出すことを外交の武器としてきた。
しかし今回は様子が異なる。これまでの脅しは相手が合理的に譲歩を計算できる場面で機能してきたが、イランの権力構造は指導者や司令官を失っても持ちこたえられるよう設計されており、数十年かけて築いた耐久性を今まさに発揮している。脅せば脅すほど、イランの強硬派に「米国は行き詰まっている」というメッセージを与えかねない。
出口なき戦争の構図
この戦争はイランの強硬派を勢いづかせ、重要な海上輸送路を封鎖し、ロシアに棚ぼたの利益をもたらしている。軍事的勝利がますます困難になりつつある今、トランプは外交的解決へと軸足を移す必要があり、ネタニヤフを同調させることが求められている。
間接交渉はバンス副大統領を仲介役にパキスタン、エジプト、トルコを通じて続けられているが、直接交渉には至っておらず、目立った進展は見られない。
イースターの朝の怒りの投稿は、トランプが自ら設定した「2〜3週間での完了」という期限を前に、戦争の泥沼化という現実に直面していることを如実に示している。「地獄に住め」という言葉の荒々しさは、交渉カードの豊富さではなく、むしろその乏しさを映し出しているのかもしれない。








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