晴海フラッグの価値を決めるのはSNSではない

内藤 忍

晴海フラッグに初めてやってきたという取引先の方から「思ったよりも落ち着いて良い街ですね」と言われました。社交辞令もあるのかもしれません。

ただ「思ったよりも」と言う言葉に、街に対する悪い先入観があったように聞こえました。

SNS等の投稿を見ていたらしく、マナーを守らないアジア系外国人の住人が増えたせいで街が殺伐とした雰囲気になっていると思い込んでいたようです。

確かにSNSには晴海フラッグの共用部に並ぶ大量の外国語の段ボールや、違法民泊の送迎車の警察による取り締まり、放置された犬の落とし物などの投稿が今までアップされます。

私の住んでいる建物でも信じられない張り紙が掲示されたこともありました(写真)。

それを見ているといかにも街が荒廃しているかのような印象を持ちますが、かなりバイアスのかかった思い込みと言えます。

SNSで拡散されるこのような事象は晴海フラッグという巨大な集合住宅の中で発生した極めて稀な事例に過ぎません。それをあたかもどこでも頻発しているかのように誇張されているのです。

注目度の高いマンションですから小さなトラブルも写真や動画で可視化されれば炎上しアクセス数を稼ぐことができる。そんな格好のネタとなり消費されていくのです。

こうした情報の非対称性を利用して不安を煽るノイズ(雑音)に影響されるのは愚の骨頂です。

確かにエリア内を歩いていると、日本語でも英語でもない言語で話をしているアジア系の人たちをよく見かけます。

しかし、人種や国籍に関係なく多くの住人は定められたルールをきちんと守り、秩序を守って生活しています。一部のマナーを守らない人たち(日本人を含む)によって、外国人全体が濡れ衣を着せられるのは困ったものです。

炎上を恐れずに書けば、このような「悪い噂」の正体は、自分が手に入れられなかった物件に対するルサンチマンであることも少なくありません。

晴海フラッグは今年に入ってからタワー棟の売却物件が増えることで供給過多となり全体の価格が下落傾向になっています。

そのようなデータを見て「晴海フラッグは終わった」「買わないほうが良い」といった短絡的な結論を出している人も出てきています。

本当に「終わった」のか?そして「買わない方が良い」のかは、SNSの情報を鵜呑みにするのではなく、中古マンション市場での流通価格がどのように変化していくかを見ればいずれわかると思います。

晴海フラッグHPより


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2026年4月8日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。

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